#467 「アワード」か「アウォード」か

 昨日NHKで Music Awards Japan 2026 が放送されました。この賞はアメリカのグラミー賞を模して、昨年創設された日本の音楽を世界に発信するための賞ということです。今日の国内で発表された楽曲に様々なジャンルの賞を創設し、受賞した楽曲を世界に発信していくものです。受賞会場には5000名を超える音楽関係者やミュージシャンが集い、晴れやかな授賞式に参加しました。
 私は番組の最初の方しか見ていませんが、番組を見ていて気になることが1つありました。それはこの表彰式のタイトルである"awards"の発音です。NHKのアナウンサーを含めMCの菅田将暉も「アワーズ」と発音していましたが、正しくは「アウォーズ」です。
 例えば、"word"(言葉)は「ワード」と発音します。また"ward"(区)は「ウォード」と発音します。なお"war"(戦争)は「ワー」でなく「ウォー」と発音します。"work"(仕事)は「ワーク」です。英語の発音は綴り字(スペル)通りに発音しない単語がたくさんあります。国際放送を有するNHKのアナウンサーでも恥ずかしいことにこの番組で「アワード」と発音していました。
 英語を教えている者として、世界に発信する番組でこのような基本的な恥ずかしい発音ミスを見逃してはなりません。間違った発音をすることで、コミュニケーションができず、誤解されてしまうこともあります。日本を代表する天下のNHKが世界に間違った発音を堂々を配信することは日本人の英語力の低さをみずから示すことになるのです。
 確かに英語学習の難しい要因の一つに「発音」があります。英語にはスペル通りに発音しない単語が数多くあるのです。英語を正しく発音することで正確なコミュニケーションが成り立ちます。もちろん完璧に正しい発音を身につけることはほぼ不可能ですが、聞いて明確に間違いと分かる発音ミスには注意したいものです。特に「ア」と「ウォ」の違いは明白です。
 このような現象はどこから生じるのでしょうか。1つには学校の英語教育において英語を聞き、話す時間が少ないことです。正しい発音を習得するには時間がかかり、生徒が間違えた時に訂正する必要があります。また教科書に出てくる限られた単語数では日常生活で使用される語数に比べて圧倒的に少ないと思います。それを補うために日頃から個人で英語を聞く習慣が身に付けばよいのですが、実態はかけ離れています。私も授業の準備をする際にまぎらわしい発音は必ず辞書で確認し、生徒に伝えています。最近は電子辞書が単語を読んでくれますので、誰でも正確な発音が分かります。
 次にテレビやラジオ番組を通して英語の正確な発音を視聴者に聞かせることが大切だと思います。ネイティブなみに英語を上手に話すというのではなく、正しい発音で英語を話すことが重要です。それが結局正しい英語の普及につながります。番組出演者の少しの努力で正しい発音が日本中に拡散します。正確な発音は「基本中の基本」です。例えば日本語でも紛らわしいのが「病院」と「美容院」です。日本人には少し発音が違っていても感覚的に区別できますが、日本語話者以外はこの2つの単語は区別のつきにくい語と言われています。
 英語に限らず、正しい発音を身につけることは語学学習の基礎であり、徹底的に練習する必要があります。もちろん片言の英語でも十分意思疎通ができますが、相手に教養のない話者だと誤解されかねません。英語を学習したい人はできるだけ正しい発音を身につけましょう。

追記:Music Awards Japan (ウィキペディアより)
「世界とつながり、音楽の未来を灯す。」をコンセプトとした国内最大規模の音楽賞。以下の国内音楽主要5団体が設立した一般社団法人カルチャーアンドエンタテインメント産業振興会(CEIPA)が事業主体となる。

・一般社団法人日本レコード協会
・一般社団法人日本音楽事業者協会
・一般社団法人日本音楽制作者連盟
・一般社団法人コンサートプロモーターズ協会
・一般社団法人日本音楽出版社協会

 最優秀楽曲賞、最優秀アルバム賞、最優秀アジア楽曲賞などの主要6部門に加え、J-POP、ヒップホップ、アイドルといった60以上の部門・カテゴリーが設けられている。対象は日本で広く流通する大衆音楽(商業音楽)がメインで、ジャズ、カントリー、芸術音楽(クラシック音楽、現代音楽、民族音楽)、民謡、雅楽、長唄などは含まれない。賞の実行委員会副委員長を務める日本音楽出版社協会の稲葉豊会長は「アメリカのグラミー賞のように、長きにわたり続けたい」と語っている。

2026年06月14日