#456 明光学園創立70周年

 爽やかな秋の日々が続いています。「食欲の秋」であるかのように、様々な秋のおいしい食べ物がスーパーの棚に所狭しと並んでおり、食欲をそそります。ただし、食欲にまかせて食べ過ぎますと、「天高く馬肥える秋」となりますので、充分な注意が必要です(笑)。
 さて、昨日(11/5)私が非常勤講師をしている明光学園が今年創立70周年を迎え、その感謝ミサと講演会が開催されました。明光学園のホームページによりますと、明光学園は、五大陸36ヶ国にあるカノッサ修道女会(本部ローマ)が設立した日本で最初の学校です。 全世界に約160の姉妹校があります。1952年、まだ世の中が第2次世界大戦後の混沌とした状況にあり、女子教育がなおざりにされていた時代に「有明の地の光のごとき存在であるように」との願いを込めて大牟田の地に設立されたのが。「明光」の名の由来となっています。最近では男子校や女子校の共学化が福岡県内でも進んでおり、筑後地区では明光学園が唯一の女子校となっています。
 昨日講堂に中高生や、教職員、学園関係者が集まり、感謝ミサが行われました。その後、「女子教育の大切さ」という演題で講演会が行われました。講師は田瀬和夫氏。この方は国連のUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)で緒方貞子氏の下で10年ほど働いた方です。近年では世界的にSDGS(持続可能な開発目標)が声高に叫ばれていますが、このSDGSを達成するためには女子教育が必要であると氏は説明します。例えば、発展途上国の貧困から抜け出すために女の子に教育を与えると、彼女たちは手に職を身につけ、自立し、それが社会や国の発展につながる、と力説されています。翻って、女の子に教育を与えない現在の環境では人身売買で他国に売られたり、強制労働をさせられたりして、奴隷のよう扱われ、命を落としたり、自立した人生を歩むことができません。
 日本のような先進国では想像できませんが、貧困がありふれた社会では、子どもたちがゴミ捨て山から使えるものを探して生活費を稼いだり、腐った食べ物を探して、その日の食事を取っています。このような状況は東南アジア、中南米など、世界中に多く存在し、子どもに対する人権が奪われています。田瀬和夫氏はこのような状況を打破するための企業(SDGパートナーズ)を設立し、活動している方です。
 生徒たちは真剣に講演会を聞いていました。いずれは大人になり、社会に出ていく彼女たちにとり、まだ日本社会は男性優位の社会です。様々な差別や偏見と戦って行かなければなりません。今日の創立記念ミサと講演会は彼女たちにとって大変役立ったことでしょう。

明光学園HP:https://welcome.meiko.ed.jp/
SDGパートナーズ: http://sdgpartners.jp/

2022年11月06日