#429 生まれる国を間違えた
月日の経つのは早いもので、今週は4月の最終週となり、来週は5月を迎えます。慌ただしく始まった新年度・新学期ですがもうすぐゴールデンウィークが始まります。時間の加速度がますます速くなり、あっという間に真夏を迎えそうです(笑)!
さてこのブログでは時々「パンドラの憂鬱」より面白い記事を転載していますが、先日興味ある日本と欧米の異文化に関する違いを述べている記事がありましたので、転載します。
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『海外「生まれる国を間違えた」北欧の空手家が語る日本人と欧米人の決定的な違いが話題に』
今回は、空手に関する動画などを各種SNSに投稿し、空手に関する書籍も数冊著しているスウェーデン出身の空手家、ジェジー・エンカンプさんが発信したメッセージからで、日本と欧米の空手家の違いを以下のように説明しています。
「欧米人は質問が好き!?
僕たちはしばしば、あまりにも早く答えを知りたがる。
だけど日本では真逆だ……。
通常欧米の生徒は、動きを実践する前に、
『何を、何故、どのように』やるのか知ろうとする。
そうしないと意欲が湧かないんだ。
だけど日本の生徒は、練習を積む事で答えを見つける事を推奨される。
これが『質問による学習』と『実践による学習』の違いだ。
先生の役割は、生徒の質問に答えるのではなく、
自己発見に導いていく事なのではないだろうか」
少なくともエンカンプさんは、長年空手の研鑽を積んだ上で、日本のやり方が正解だと考えているようですが、コメント欄には各国の人々から様々な意見が寄せられていました。その一部をご紹介しますので、ごらんください。
■ 本当にその通り!
まずはやって体で覚えるしかないんだ! +3 オーストラリア
■ そう、僕もまず体を動かしてみるというやり方。
結局はそれがベストなんだと思ってる。 ブラジル
■ 学習には「文脈」が必要だからね。
アイキドウの練習で、ある技を何度も繰り返してると、
ふとした時に体が何かを掴む瞬間があるんだ。
僕が受け持っている外科の生徒たちには、
「見るまでは見えない」と教えている。
彼らがそのことを理解した時になって初めて、
「それでは勉強を始めよう」と言ってるよ。 +11 アメリカ
■ 俺としては、なぜその練習をやるのかを、
事前に理解してた方が習得が早くなると思う。
武道の領域で日本の方がレベルが高いのは、
説明の不足を補えるだけの高い教養が、
多くの生徒に備わっているからなのでは? +2 カナダ
■ これはよく分かる。
多くの欧米人は時期尚早と言えるタイミングで質問する。
とは言え、説明が不十分な先生も多いよね。 アメリカ
■ 言ってる事は間違ってないんだけど、
最近のカラテ道場は若い生徒さんが増えてるからね。
日本みたいなやり方だと上手く行かないんだよ……。
「つまらない」「楽しくない」
「基礎ばかりで派手な技が学べない」……。
それで諦めて辞めちゃうんだ……😥 +11 アメリカ
■ 日本の場合は、ゴールよりも道のりを楽しむ事を学べる。 イギリス
■ うん、これはかなりクールな指摘だと思う。 +2 ブラジル
■ 日本人の物事に対するアプローチは深いね。
彼らの姿勢は、日々の訓練を単なる訓練ではなく、
1つの長い道へと変化させるんだ。 アメリカ
(http://kaigainohannoublog.blog55.fc2.com/blog-entry-4154.html)
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確かに、上記の欧米人たちが指摘している通り、日本の「道」のつく武道(剣道や柔道、弓道など)や茶道、生け花などの伝統文化では師匠が弟子に理屈で説明しません。ひたすら型を覚えることから始めます。それも何年も繰り返し練習させて、身体で覚えさせる方法を取ります。また禅宗の座禅を体験したい外国人がたくさんいますが、禅の理屈ではなく、ひたすら座ることで禅の何かを掴んでいきます。
このように欧米文化と日本文化の根本的な違いのひとつに言葉によるコミュニケーションの方法が全く異なることです。とにかく欧米人は言葉で理解することがコミュニケーションの基礎なので、お互いに何か言葉で伝えないと意思が伝わらないと思いますが、日本では言葉で語らずとも相手のしぐさや態度で相手の様子が分かります。
ただし、外交関係では沈黙してはいけません。くどいほど繰り返し相手に対してこちらの意図を明確に説明しないと、誤解されたり揚げ足を取られたりします。国際交渉の場面では言葉を使った交渉が一番です。日本人らしい交渉術が必ずしも成功するとは限りません。異文化間コミュニケーションの知識が必要となる由縁です。