#621 クリスマスキャロル

 今日は12月21日です。クリスマス・イブまであと3日、クリスマス当日まで4日です。街中にクリスマスソングが流れています。伝統的な讃美歌・聖歌からJ-POPの歌まで流れており、人々の気持ちをほんのり和やかにしてくれます。お菓子屋の店頭ではこの時期にクリスマスケーキを販売していますが、今年は物価高、特に卵価格の値上がりにより、お菓子屋や購入者の負担が増えています。今年はどのようなクリスマスになるのでしょうか。
 さて、クリスマスと言えばクリスマス・キャロルがあります。チャールズ・ディケンズの小説「クリスマス・キャロル」が有名ですが、そもそもクリスマス・キャロルとは何でしょうか。一言でいえばクリスマスの時期に教会等で歌われる讃美歌・聖歌のことです。より詳しく説明するために「女子パウロ会」のHPから一部転載します。
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『キリスト教豆知識 クリスマス・キャロル』
 キャロルという言葉は、もともとはギリシア語で「歌い踊る」という意味です。ですから、中世のはじめには、教会内に作られた まぶね(飼い葉桶で眠るイエス)のまわりを、歌いながら踊りました。それが、だんだん発展し、音楽だけが独立して、クリスマスの聖歌となっていきました。
 はじめてキリストの誕生を歌った聖歌は、5世紀に作られたものです。今日のようなクリスマス・キャロルがはじめて作られたのは、13世紀のイタリア人聖フランシスコです。
 聖フランシスコは、キリストの生誕を、福音書のメッセージを歌詞にして、その喜びをこめて歌にしました。これが、ヨーロッパ中に広まりました。
 クリスマス・キャロルの特徴は、難しい教義ではなく、キリストの生誕の喜びを、声 高らかに歌う、とてもポピュラーなものであるということです。
 数あるキャロルの中で、最も人々に知られているのは「きよしこの夜(サイレント・ナイト)」でしょう。この歌の誕生には、こんな物語がありました。
 1818年のクリスマスが近づいたある日、オーストリア、ザルツブルグ近郊の村オーバンドルフでのことです。この村には、聖ニコラウス教会がありました。クリスマスの準備がすっかり整った教会に、オルガン奏者が練習にやって来ました。しかし、ちっとも音がでません。ねずみが、この古いオルガンのふいごを、かじってししまっていたのです。
 オルガンが壊れてしまては、クリスマス・キャロルが歌えません。そこで主任司祭にわけを話すと、ジョゼフ・モア神父はしばらく考えて、クリスマスの短い詩を書きました。それから、友だちのオルガニスト、フランツ・グルーバーに、ギターの演奏で歌えるキャロルの作曲を頼みました。
 そして、クリスマス・イブの真夜中のミサの最後に、ギターの演奏で作曲された美しい歌が歌われました。これが今世界中で歌われている「きよしこの夜」です。
https://www.pauline.or.jp/chripedia/mame_ChristmasCarol.php
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 「きよしこの夜」は世界中の多くのミュージシャンが歌っています。また多くのミッション系の学校では様々な形式でクリスマス会を催しますが、その際に「きよしこの夜」を始め、色々な歌(キャロル)を歌い、イエスキリストの誕生を祝います。もちろんクリスマスはキリスト教を信奉する多くの国々で祝福されますが、日本のようにキリスト教が国教でない国もクリスマスを宗教としてでなく、クリスマスを1つのイベントとして家族やカップルなどで過ごす習慣があります。
 以前はクリスマスを平和の象徴として対戦国で停戦が行われてきましたが、今年はどうでしょうか。ウクライナに一時の平安があるでしょうか。クリスマスの時期は少なくとも平安な気持ちで過ごしたいものです。

2025年12月21日