#516 波乱の年明け
今日は令和6年1月7日、七草粥の日です。七草は「セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ、スズシロ」の7種類の野菜を指します。最近は七草をスーパーでも販売しています。七草粥は正月の飲食で疲れた胃腸の回復に良い食べ物です。地元の小中学校は9日より3学期が始まります。寒い季節ですが、子どもたちは元気で登校することでしょう。
さて、今年は元日から大きな災害が発生しました。能登半島地震です。また二日には日航機と海上保安機が羽田空港で衝突炎上する大事故が発生しました。さらに三日には北九州の小倉で大規模火災が起こりました。元日から三日連続で災害や事件事故が続いて起こりました。今年の辰年は波乱の年明けとなりました。
特に能登半島地震は他の大地震と異なり特異な状況となっています。阪神大震災や東日本大震災、熊本地震では地震発生後に速やかな支援が行なわれましたが、今回の地震では能登半島が山間地域を通る大動脈の国道がいたる所で寸断され、災害地域まで到達できないことです。震災三日後にいくつかの市には救助隊が到着しましたが、まだ今日現在孤立している集落も多くあり、その地域の支援に支障が出ています。
その原因として挙げられているのが、他の震災地と比べて能登半島は山に囲まれ、幹線道路が狭いことが挙げられています。また海沿いの道路も土砂崩れで通行できない箇所が多くあります。今までの地震でしたら震災後に高速道路や大きな幹線道路を利用して支援物資を素早く運ぶことができましたが、山間部にある能登半島の各町は道路が寸断され、車両が通れない状況です。このことが被害者の救援を難しくしています。また電話や通信手段の不通により、現地の各町では被害状況や住民の安否確認が今でもできていない状況です。
今回の能登半島地震の教訓として、山間部や幹線道路の少ない地域で地震が発生した場合は早急な救助活動ができないというこです。換言すれば、救助が来るまでの少なくとも数日間(出来れば一週間)程度は自助が求められるということです。また災害状況を逐次知るために電池式のポータブルラジオを手元に置くことも必要です。これは停電でテレビが視聴できないための情報収集に役立ちます。また緊急事態の場合に携帯電話(スマホ)やタブレットなどが利用できないことが今回の能登半島地震で明らかになりました。これは停電のために電気やインターネットが使えないためです。また通信中継基地の損傷も原因です。当然生活に必要な飲料水や食料、簡易トイレなど日頃より準備しておく必要があります。
今回の地震で特筆すべきことは、かなりの地震で能登半島に大きな地殻変動が生じたことです。産経新聞は次のような記事を出しています。
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『能登半島北西部の沿岸で陸化確認 150~200m移動 隆起で津波観測が不可能な地点も』
1日に発生した能登半島地震による地殻変動について、地球観測衛星「だいち2号」の観測データを解析したところ、能登半島北西部の沿岸域の広い範囲で、隆起に伴って陸化した地域があることが分かった。国土地理院(茨城県つくば市)が発表した。隆起により、津波の観測が不可能になっている地点があることも明らかになった。
輪島市皆月(みなづき)湾では約4メートルの隆起が検出され、海岸線が海側に約200メートル移動したことがわかった。皆月湾から25キロほど北東の名舟(なふね)漁港付近では、約150メートルの移動が観測された。地震前に見られた浅瀬が陸化したとみられるという。
地盤隆起は、津波観測にも影響を及ぼしている。気象庁の津波観測地点「珠洲市長橋」は、地震直後の1日午後4時10分ころから観測データが得られなくなっている。国土地理院が撮影した空中写真から隆起によるとみられる海底の露出が確認され、観測不能となっていたことがわかった。同庁が5日発表した。
だいちの観測は、衛星から発射した電波が観測する対象物に当たって反射してくる際の電波の強さから、対象物の大きさや表面状態を捉えることができる。海はほとんど電波を反射しない。地震前後でデータを比較したところ、地震前より反射が強くなっている場所があり、海だった領域が陸化したと考えられる。
国土地理院測地部宇宙測地課の小門研亮課長は「港湾施設などの被害を把握する基礎資料として活用できる。今回の結果は暫定値だが、より精緻な値を出せるよう検討していきたい」と話した。
(https://www.sankei.com/article/20240106-SBT6W5S6HZMZRBYLFCEMCRQYAM/)
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今回の大地震を引き起こした断層帯は150kmあり、それがいくつかに分かれて動いたと言われています。上記の記事にあるように、4メートル隆起したとは驚きです。また地震が佐渡島方面に進んでおり、新潟や秋田方面の方々も今後充分注意する必要があります。
今年は元日から予期しない災害が発生しましたが、自然災害、特に地震には日頃から充分注意しておく必要があります。自分の命は自分で救えるように準備しておくことが肝心でそれでは今年一年身を引き締めて過ごしましょう。