#613 生きることは
生きることは
自分の花を咲かせること
風雪に耐え寒暑に耐え
だれのものでもない
自分の花を咲かせよう
生きることは
神仏の使命を果たすこと
生まれてきた者には
必ず何かの使命がある
それを見出して成し遂げよう
生きることは
光を見出すこと
この世は決して闇ではなく
必ず光が射してくる
そのことを信じ
勇気を出してゆこう
生きることは
愛に目覚めること
人を愛し世を愛し万物を愛し
二度とない人生を
愛の心で包んでゆこう
生きることは有り難いこと
生かされて生きる不思議を知り
すべてに感謝し
手を合わせてゆこう
『坂村真民「生きることは」』
上の詩は坂村真民氏の詩です。坂村氏は「念ずれば花開く」を書いた詩人として有名です。坂村真民記念館のHPによりますと、坂村氏を次のように紹介しています。
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『坂本真民について プロフィール』
1909年(明治42年)、熊本県玉名郡府本村(現・荒尾市)生まれ。本名、たかし(たかし)。8歳の時、父親が急逝し、どん底の生活の中、母を支える。神宮皇學館(現・皇學館大学)卒業後、熊本で教員となる。その後、朝鮮に渡って師範学校の教師に。終戦後、朝鮮から引き揚げて愛媛県に移住。高校の教員として国語を教え、65歳で退職。58歳の時、砥部町に定住し、92歳で砥部町名誉町民に選ばれる。2006年(平成18年)97歳で砥部町にて永眠。
20歳から短歌に精進するが、41歳で詩に転じ、個人詩誌『詩国』を発行し続けた。仏教伝道文化賞、愛媛県功労賞、熊本県近代文化功労者賞受賞。
一遍上人を敬愛し、午前零時に起床して夜明けに重信川のほとりで地球に祈りを捧げる生活。そこから生まれた人生の真理、宇宙の真理を紡ぐ言葉は、弱者に寄り添い、癒しと勇気を与えるもので、老若男女幅広いファン層を持つ。
https://www.shinmin-museum.jp/
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「生きることは自分の花を咲かせること」は確かに至言です。人生は自己を発見する旅であると言われますが、自分が何者であるか、どのような人生を送るかは一人ひとり異なります。同じ生を受けて周囲に慈愛を与えて、善人として一生を過ごす人もいれば、犯罪に手を染めて悪人として一生を無駄にする人もいます。
人生を終えて神仏の前に対峙するときに私たちは何を語るでしょうか。二度とない人生です。後悔しない生き方をしたいものです。若いときには気づかなかった自分の周囲の愛情に気づき感謝して日々を過ごしたいものです。人生を振り返ると瞬きの一瞬、つかの間の夢のようです。そして人生の旅が終わるときに生まれてきてよかったと言い切れるような気持ちになることができれば理想です。それがどのような人生であろうとも。
付記:「念ずれば花開く」
念ずれば
花ひらく
苦しいとき
母がいつも口にしていた
このことばを
わたしもいつのころからか
となえるようになった
そうしてそのたび
わたしの花がふしぎと
ひとつひとつ
ひらいていった