#484 デジタルドラッグ
今週末は久しぶりの晴天に恵まれました。昨日は必要な本を探しに隣接する荒尾市のグリーンランド近くにあるYouMeタウン内の紀伊国屋書店まで自転車で行ってきました。当塾から自転車で50分ほどかかりますが、サイクリング気分で時々出かけます。バスでも行けますが、グリーンランドから歩いて10分以上かかり、バスの待ち時間を考慮すると時間的にはそれほど変わりません。1,2か月に1回程度気分転換に出かけることにしています。福岡市のジュンク堂や紀伊国屋、丸善と比較して圧倒的に書籍数は少ないですが、紀伊国屋荒尾店は英語の書籍に関して大牟田近郊で一番種類や在庫が多く、大牟田市内で入手できないような本が購入できます。
さて、前回のブログでスマホ中毒に関して述べましたが、その内容が気になっていましたので、著者の川島隆太氏の本(「スマホ依存が脳を傷つける」宝島新書)早速を入手して、彼の主張する意見を考えてみました。この本の前書きに次の一節が記されています。
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私は脳学者して、さまざまな装置を使って人間の脳活動を測定し、可視化することで、社会に役立つ情報を発信する活動を活動を長年行なってきました。とくに子どもたちの脳がよりよく発達するためには、何が必要かといった研究に力を入れてきました。
しかし、近年研究の中で子どもたちの脳の発達が「あきらかにおかしい」と思える結果が数多く確認されるようになりました。
私たちが最初にそのことに気づいたのは、東北大学加齢医学研究所と仙台市教育委員会が共同で行っている「学習意欲の科学的研究に関するプロジェクト」での追跡調査からです。そこで10年間子どもたちの生活習慣と脳の発達を調べて結果、スマホやタブレットをたくさん使う子供たちの学力が妙に低く、また脳の発達に遅れが出ていることがわかりました。
この衝撃的な結果から、私たちはなんとしてでも、子どもたちの脳を守らなければならないという思いを抱き、スマホなどのデジタル機器、オンラインによる学習やコミュニケーションのリスクについて、複数の書籍や講演などを通して警鐘を鳴らしてきました。(同書p2-3)
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上記のように著者の危惧が本書のいたる所で見られます。それらを引用するには莫大な量になりますので、目次のみ引用します。
「スマホ依存が脳を傷つける」川島隆太著(宝島新書)
第1章:世の中に蔓延するスマホ中毒
スマホに生活を乗っ取られていませんか
デジタルデトックスには相当強い意思が必要
大人の発達障害、ADHDの増加もスマホのせい
第2章:スマホが脳に及ぼす悪影響
スマホ漬けで人間の脳は猿になる
スマホは脳の報酬系回路を刺激し続ける
オンラインコミュニケーションには心がない
スマホを使いこなしても脳力は上がらない
第3章:とくに子どもの脳が危ない
デジタル生活では子どもの脳は育たない
スマホが子どもたちの脳を破壊している
こんなスマホ習慣は今すぐやめさせなさい
第4章:スマホ依存がもたらす心身の不調
誰もが依存してしまう怖さ
原因不明の心身の不調はスマホを疑え
スマホが生活習慣病・認知症を増やす
第5章:壊れた脳をどう再生していくか
「脳が壊れる」とはどういうことか
人間の脳が持つ素晴らしい能力
壊れた脳は何歳からでも再生できる
アメリカで始まった4週間強制プログラム
第6章:川島流、スマホ依存からの離脱方法
脱スマホをどう始めるか
ステップ1 スマホ漬けの生活に気づく
ステップ2 脱スマホルールをつくる
ステップ3 積極的に脳を使う活動を増やす
第7章:リアルな交流や趣味で脳を元気に
リアルなコミュニケーションが脳を元気にする
趣味でワーキングメモリーを鍛える
体を動かして脳を活性化する
デフォルトモードオンでひらめく脳をつくる
第8章:スマホのここが気になる!Q&A
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スマホ・リスクについて関心がある方には必読の1冊と思います。個人的な経験として、ワープロを使いだすと漢字を忘れる傾向が出てきます。このことは大脳皮質があまり働いていないことと関係があります。前回のブログでも述べましたが、ChatGPTやAIに頼り過ぎると、人間の脳は退化することになります。そして支配する者(スマホやプログラムを作る者)と支配される者(一般大衆)の間に深い格差が生じることになります。大衆は刺激を求め、それに邁進し、物事を深く考えなくなります。換言すれば、刹那的な生き方を求めることになります。人間的な生き方を希求する人にとり、人間らしい生き方とは何かを、今一度考える時期に来ています。ちなみに、本日のブログタイトル「デジタルドラッグ」とはデジタル機器に中毒(ドラッグ)になっていることを意味します。第2のルネサンス(人間復興)を起こすのは今です。