#469 二十四節気
暦の上では立春を過ぎましたが、まだまだ寒い日々が続きます。それでも日差しは春に向かって少しずつ強くなってきています。実際、小寒(1月6日)頃の日の出が7時22分、立春(2月4日)7時13分となっており、10分ほど早くなっています。また、日没は冬至(12月22日)が17時15分でしたが、春分では17時52分となっており、40分以上も昼間の時間が長くなっています。これから三寒四温を繰り返しながら春へと近づいていくことでしょう。
日本人は古来より自然と共生する形で暮らしてきました。その中で自然から学び、自然を利用する形で日常生活を営んできました。特に現在でも農業は旧暦を参考にして種まきや、田植えなど大切な時期を判断し、行われています。このように現在ではあまり意識しない季節感ですが、従来の日本人の生活感を表しているのが二十四節気です。「日本人のしきたり」(青春新書)によると次のように説明しています。
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『二十四節気』
われわれは寒い冬から春を迎えてホッとしたり、暑い夏にひと雨ほしくなるなど、日ごろの生活は春夏秋冬の季節の影響を大きく受けています。
日本では、国民の祝日となっている春分と秋分、さらに夏至と冬至のほかにも、立春、立秋、大寒などの季節を表す言葉がしばしば使われていますが、これらはすべて二十四節気にもとづいています。
二十四節気は中国の戦国時代に考案されました。太陰暦による季節のズレを正し、春夏秋冬の季節を正しく示すため、一年を十二の「中気」と十二の「節気」に分類し、それらに季節を表す名前がつけられたのです。日本では江戸時代の暦から採用されています。
しかし、二十四節気は、中国の気候にもとづいて名づけられたものなので、日本の気候と会わない名称や時期もあります。そこで、それを補うため、二十四節気のほかに、土用、八十八夜、入梅、半夏生、二百十日など、「雑節」(ざっせつ)と呼ばれる季節の区分けを取り入れたのが日本の旧暦です。
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この「日本人のしきたり」には他に多くの日本人が生活の中に取り入れてきた自然観や年中行事のしきたりなど、何となく知っているようで知らない多くの言葉が説明してあります。日本人の心の琴線に触れたい人にお勧めの一冊です。
季節はまもなく晩冬から早春へと移り変わっていきます。梅の開花の便りも聞こえてきました。北国の雪も名残り雪となって行くことでしょう。春はもうすぐそこまで来ています。