#405 落ち葉の絨毯

 あなたが首をかしげて見ていた
 あの銀杏はもうすっかり黄色
 落ち葉はあなたの足跡消して
 私に何も残さない
(♪「眼を閉じて」かぐや姫)

 季節はすでに晩秋となり、街はすっかり落ち葉の季節になりました。銀杏のある並木道は黄色い落ち葉の絨毯にすっかりおおわれて、去り行く秋の装いに彩りを添えています。北国からはすでに雪の便りが届き、今年の冬は例年にない寒い季節の予感がしています
 最近は季節の境目がはっきりしない年が増えてきましたが、それでも他国と違って日本は春夏秋冬の四季が明確に分かれており、それぞれの季節に応じた衣食や生活様式があります。日本は衣食を通して季節感を味わえる国だと思います。特に秋は紅葉を求めて海外から旅行客が押し寄せ、京都は毎日どこへ行っても混雑状態です。さすがにコロナ禍で外国人客はほとんどいませんが、週末は国内から集まった観光客で清水寺や嵐山は特に人気があります。また国内の観光地もコロナの急減に伴い、ようやく観光客が戻ってきました。このままコロナが落ち着いてくれれば、観光地に活気が戻り、経済の循環も始まることでしょう。
 私が以前滞在していたオーストラリアでは四季に当たる季節がなく、なんとなく暖かくなり、真夏を迎え、そして何となく涼しくなり、冬を迎える3シーズンとなっています。もちろん住む場所にもよりますが、私が暮らしたシドニーでは真夏は日本のような湿度の高いじめじめした夏ではなく、湿度のないカラッとした真夏で、外を歩いても汗が噴き出ることはありません。ただし紫外線が強いので、少し外出してもすぐに日焼けします。また地元の人たちは真昼には海で泳ぎません。紫外線が強すぎて皮膚がんの発症など害が多すぎるからです。泳ぐときには昼間を避けて朝または夕方に泳ぎます。またTシャツで泳ぐ人が多く見られます。
 またシドニーの冬はそれほど寒くなく、日本の11月下旬のような季節感です。朝はさすがに最低気温が10度を下回り、ヒーターを使用しますが、昼には20度近くまで気温が上がり、コートなしで過ごせる感覚です。雪が降ることはなく、年に1,2回あられが降った時もありました。
 このようにオーストラリアあまり季節感がない国です。もちろんケアンズやダーウィンのような熱帯地域では冬がなく、メルボルンやタスマニアのような南極に近い街は寒さがより厳しくなります。国土が大きいので気候差も大きくなります。
 気象庁は先日南半球でラニーニャ現象が発生したと見られると発表しています。「例えば、2020年夏から2021年春にかけてもラニーニャ現象が発生。2020年~2021年の冬は、一時的に強い寒気が流れこんだ影響で、富山市では35年ぶりに積雪が1メートルに達するなど、記録的な大雪となりました。この冬も西日本を中心に寒気が流れ込む予想がでているため、注意が必要です。」(https://tenki.jp/forecaster/deskpart/
2021/11/10/14805.htmlより)
 今年はどんな冬になるでしょうか。石油の値上がりに伴い、暖房に必要な灯油などの油も高止まりとなっています。特に暖房が必要なビニールハウスの作物には例年の1,5倍の燃料費がかかっているようです。コロナ禍で経済が下火になっている時期に燃料費の高騰が懸念されます。春が来るまでしばらく寒い季節を辛抱することになります。

2021年11月14日