#485 カンガルー受難の時代

 大型台風2号が近づいています。この時期に日本に接近するのは珍しいですが、ひょっとしたら週末には九州に接近するかもしれません。その場合、早めの対策が必要となります。また前線が停滞する予報が出ていますので、近いうちに入梅宣言が出されるかもしれません。天気の急変に気をつけたいところです。
 ところで南半球のオーストラリアの話です。オーストラリアと言えば、コアラ、カンガルー(小型カンガルーはワラビーと言います)が有名ですが、近年どちらも受難の時代が続いています。昨年は山火事の影響で数千頭のコアラが焼死しました。動きが遅いので、山火事が発生すると多くのコアラが犠牲になります。一方カンガルーは足が速いので、山火事からは比較的逃げやすいのですが、ここに困った事態が発生しています。カンガルーに関する記事を見つけましたので、転載します。

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『カンガルー、餓死対策で大量殺処分を』
 オーストラリアの生態学者らが、カンガルーの増加を放置すれば「壊滅的」な数の個体が餓死する可能性があるとして、カンガルー産業全体で大規模な殺処分を行うことを提案している。(写真はカンガルーの群れ。豪ニューサウスウェールズ州で)
 カンガルーの個体数は増減のサイクルを繰り返し、餌が豊富な雨期には数千万頭に膨れ上がる。しかし、生態学者のキャサリン・モズビー氏は、餌がなくなれば餓死による大量死が起きると警告する。
 同氏によると前回の干ばつでは、飢えたカンガルーが公衆トイレのトイレットペーパーを食べたり路上で倒れたりした。推定80~90%が死んだ地域もあったという。
 こうした運命からカンガルーを救う最も思いやりのある方法は、銃で撃ち殺すことだとモズビー氏は主張する。
 オーストラリアでカンガルーは保護されているが、最もよく見掛ける種は絶滅の危機にはなく、政府の許可があればほとんどの地区で撃ち殺すことができる。その結果、年間500万頭が食肉やペットフード、皮革産業などで利用されている。
 オーストラリア・カンガルー産業協会のデニス・キング氏によると、2000年代初めの干ばつでカンガルーの個体数は3000万頭以下まで減ったが、今は再び増加傾向にあり、このままでは6000万頭まで回復するのも時間の問題だという。
 豪動物愛護団体アニマルズ・オーストラリアは、オーストラリア固有の動物であるカンガルーが「商業的利益のために殺されている」と非難している。
 だが、カンガルー管理の第一人者であるジョージ・ウィルソン氏は、殺処分して利用することを「倫理に反するという意見もあるが、餓死させることこそ倫理に反する」とAFPに語った。「残酷なのはそういう事態に対して何もしないことだ」
https://www.jiji.com/jc/article?k=20230526044519a&g=afp
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 上記にも書いてありますように、シドニー市内の土産物店ではカンガルーの毛皮の敷物や小物製品を売っています。またスーパーマーケットに行けば、カンガルーの肉も販売しています。カンガルーが増加するのは自然の摂理と思いますが、その数を人間が人為的に調整するのはいかがなものでしょうか。自然界の生き物は自ら生息数を調整します。例えば急激に増えると集団自殺するレミングが挙げられます。カンガルーもおそらく自然の摂理が働いて、何らかの形で数が調整できるのではないかと思います。わざわざ人間がしゃしゃり出て生息数を調整することでもないと思います。もちろん人間を襲ったりすれば話は別ですが。
 このように自然界にはその種の適正個体数が存在します。特定の種が増えすぎますと、その天敵が現れたり、何らかの理由で病気にかかったり、集団自殺のような行動に走ったりします。ただしこの法則に当てはまらない種が1つ存在します。それは人間です。人間だけが唯一科学技術や医学の進歩とともに数を急激に増やしてきました。そして現在80億を突破しました。
 しかし、そのような人間にも人口増加のピークが見えてきたようです。専門家によれば、日本だけでなく先進諸国の出生数が減少し始めています。最大人口の中国が人為的な政策も影響し人口減少に転じており、総人口はインドに抜かれています。また隣国である韓国の出生率は0.7未満となっています。
 この現象をどのように考えるかは人により異なりますが、地球の生命体である種の人間だけが唯一例外であるとは言い難いでしょう。もし人間が知恵を出して意図的に人口抑制をしなければ、新コロのような、さらに致死率の高い病気が猛威を振るって人口を減らすか、大規模な戦争が起こり、人口が半減するような事態が発生するかもしれません。このような予測は誰でも考えられます。
 今後5年、10年で、世界は大きく変貌して行くことでしょうが、私たちが知恵を出し合い、懸命に希望ある将来を描きませんと悲惨な未来が待つことになります。将来の子供たちにこの星を残してあげるために、行動するのはです。

2023年05月28日