#592 エゼキエル戦争の始まり?

 梅雨を迎えて昨日まで毎日雨が降り続け、雨靴の日々を過ごしていました。今日は久しぶりに雨が降っていない朝を迎えました。それでも夕方から大雨になるという予報が出ていますので、今年の梅雨はまさに「降れば土砂降り」の日々となっています。大雨による大きな災害にならないことを祈るばかりです。
 さて、2025年6月13日(日本時間14日未明に)世界を震撼させるとんでも紛争が発生しました。イスラエルによるイラン攻撃です。イスラエルは今回の紛争を起こすために数年間綿密に計画していたと専門家は述べています。確かにイランの高官を3人殺害し、核施設への攻撃を行なっています。またイランの防空システムも同時に破壊し、イラン国内100カ所以上の施設に損害を与えています。
 これに対してイランはイスラエルに即座に反撃を加え、イスラエルの大都市テルアビブに弾道ミサイルを着弾させ大きな被害をもたらし、その映像がニュース番組で何度も流されています。今回の紛争(戦争と言いかえてもよい)は一時的なもので終わらないようです。イスラエルはイランの国家体制を変えるまで戦争を継続すると宣言しており、イランは周囲のイスラム諸国を含め最大の敵であるイスラエルに報復することを宣言しています。前回のインド・パキスタン紛争のように、イスラエルはすでに核兵器を有し、イランも公式には核を有するとは言っていませんが、実際は核兵器を所有していると思った方がよさそうです。つまり核兵器を所有する2国間の核戦争が始まったとみなす方が無断です。
 ここでふと思い出したのが「エゼキエル戦争」という言葉です。エゼキエル書とは旧約聖書の中にある預言書のひとつです。googleで検索すると次のような説明が出てきます。

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ユダヤ教における三大預言者は、イザヤ、エレミヤ、エゼキエルの3人です。彼らは旧約聖書に登場し、その預言はユダヤ教徒にとって重要な意味を持っています。
詳細:
イザヤ:
南ユダ王国の時代に活動し、その預言は神の裁きと救済をテーマにしています。また、文学的に優れていることでも知られています。
エレミヤ:
バビロン捕囚の時代に活動し、神の言葉を伝えるために苦難を経験しました。彼の預言は、神の裁きと希望を伝えています。
エゼキエル:
バビロン捕囚の時代に活動し、神の栄光と新しい契約について預言しました。彼の預言は、神の力の偉大さと、未来への希望を伝えています。
これらの三大預言者は、旧約聖書の中でも特に重要な役割を果たしており、ユダヤ教徒にとって、神の言葉を伝える預言者として尊敬されています。
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イザヤ、エレミヤに関しては古代ユダヤ人の歴史を表していますが、エゼキエルはこれからの世界を表していると言われます。特にこれから起こると言われている「エゼキエル戦争」が有名です。エゼキエル戦争は次のように説明されています。

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『エゼキエル戦争とは』
 エゼキエル戦争とは旧約聖書の預言書のエゼキエル書の38章39章に書かれた世界最終戦争・終末戦争といわれている戦争です。ロシアとイランとトルコ、そしてスーダン、エチオピア、リビア、ドイツなどの国々が連合を組んでイスラエルに攻め込む戦争がエゼキエル戦争です。
 エゼキエル戦争は世界最終戦争だといわれていますが、エゼキエル戦争で世界が終わるわけでもなく、戦争はその後もあるはずなので最終戦争という表現は正しくないともいわれています。エゼキエル戦争は、大患難時代に入る前の歴史的な分岐点に位置する重要な意味のある戦争です。大患難時代とは7年間、地上を大きな患難が襲う時です。
 聖書に書かれた「ハルマゲドンの戦い」はエゼキエル戦争とは別の大患難時代の後半の戦いです。いずれにしても大患難時代の後は明るい未来となります。大患難時代については大事ですが、今回は扱いません。
エゼキエル戦争を正しく理解することで、今後の世界動向を知ったり、何をすると良いのかが見えてきます。

『エゼキエル戦争はあり得ないと思われてきた』
エゼキエル戦争は、あり得ないと思われていました。その理由は次の通りです。
①そもそもイスラエル国がなかった
 AD70年頃にイスラエルは国を失い世界に離散していたからです。しかし、イスラエルは1948年の第一次中東戦争と1967年の第三次中東戦争により奇跡的にパレスチナの地に1900年ぶりに建国しました。
②連合を組む相手とは思われなかった
 ロシア、イラン、トルコが連合となってイスラエルを攻めるとされていますが、ずっとお互いに仲が悪いので、その国々が連合するわけがないと思われてきました。ところが、最近になって各国間の状況が急激に変化してきて、ロシア、イラン、トルコは関係が良くなり、すでに連合を組んでいる状態です。イランもトルコに続いてロシアの最先端のS400ミサイルシステムを導入交渉しています。イランもトルコも、もともと親イスラエルだったのですが、現在は反イスラエルになりました。
(詳細は下記のHPを参照してください。)
https://real-int.jp/articles/2353/
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 先日の緊急安保理事会でイスラエルは「自衛のための先制攻撃だ」と主張しましたが。この主張には賛成できません。この主張が正しければどの国も「自衛のために」先制攻撃を行うことが正論となるためです。例えばロシアのウクライナ攻撃も「自衛のため」だと主張することができます。実際そのようにロシアは振舞っています。また中国や北朝鮮も同じ主張をおこない、周囲の国へ攻撃するでしょう。まるで無法地帯のように武力行使が当然の世界へ変貌することでしょう。
 今一度法(国際法)に基づいた国際関係を構築する時代が必要とされているのが現在です。確かに現在国際連合は以前の国際連盟と同じように世界をまとめる力を失っていますが、ここで一国の横暴を許せば、なし崩し的に世界秩序が崩壊することでしょう。今一度話し合いで物事を解決できる姿勢を取り戻す必要があります。そうしないど世界は破滅へと雪崩のごとく奈落へ落ちていくことになります。
 私達人類は知恵ある動物です。お互い知恵を出し合って困難を乗り越える力を持っています。今回の戦争が一刻も早く終結し、一過性の紛争で終わることを強く祈りたいと思います。

2025年06月15日