#505 日本のお菓子
10月の中旬を過ぎても日中はまだ25度以上の夏日が続いていますが、道端にはコスモスなどの秋の花が咲き乱れ、すっかり秋らしくなってきました。多くの田圃では稲刈りが終わり、すでに冬支度を感じさせる気配が感じられます。
秋と言えば「スポーツの秋」、「読書の秋」と人により様々ですが、多くの人にとってはやはり「食欲の」ではないでしょうか。最近の物価高で食べ物の値段が上がっていますが、それでも旬の食べ物を食べたくなります。
また食材だけでなく、秋はお菓子も食べたくなる季節です。スーパーに行けば所狭しとお菓子が並んでいます。日本人の私たちにとって何気ない風景ですが、外国からの観光客にとり日本のお菓子は興味をそそるものとなっています。また日本のお菓子は海外へも輸出されており、世界の多くの地域で食することができます。そのような日本のお菓子ですが、海外で意外と人気になっているようです。今日は日本のお菓子に関する記事を転載します。
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『じつはいま海外で大人気になっている「日本のお菓子」の名前』
<食感や見た目も大切>
日本人は「食感」を「味」と同じぐらい大切にする民族だと、外国人は言います。*番組では、「口に入れるとフワッと溶けるおかき」を紹介しました。越後製菓の『ふんわり名人』です。あなたは食べたことがあるでしょうか? 開発に一〇年かかったそうです。外国人は、「味ではなく、食感を追求することがすごい」と驚きます。味に焦点を当てることはあっても、「食感」を意識して商品を開発することなどないというのです。
また、見た目や季節にこだわり、繊細な細工の「和菓子」は世界を驚かせました。和菓子の技術に魅了されて、海外から和菓子職人に弟子入りを希望する外国人が現れています。
金魚鉢の中で金魚が泳いでいるように見える和菓子や、水底の小石に見える和菓子、大輪の花のような和菓子。日本人でも、思わず、感嘆の声があがります。
簡単に量産できないので大量に輸出できないという点や、アンコの味に西洋人が馴染みがない点などから、和菓子はまだ世界でポピュラーにはなっていませんが、知れば知るほど世界は驚くのです。
<こんなお菓子が世界で大人気>
世界の多くの人が日本発と知らずに大好きなお菓子のひとつは、「チョコスティック菓子」です。代表的なものは、そう、『ポッキー』です。今や世界二〇ヵ国以上で販売されています。
『プリッツ』にチョコをコーティングしながら、持ち手の部分にだけはチョコをつけず、チョコで手が汚れない心遣いが、いかにも日本のお菓子、というものです。
日本人ならたぶんやったことがあるのは「チョコポッキーのチョコだけを食べて、プリッツにしたことがある」です。あなたはやったことがあるか? 僕はある。ついでに「『とんがりコーン』をひとつひとつ指にはめて、それから食べたことがある」です。あるか? 僕はもちろんある。
「柿の種」も、じつは今、海外で人気です。亀田製菓は、アメリカで現地法人を作って、現地生産を始めました。海外の人が味わったことのないピリ辛醬油味が受け入れられたのと、油で揚げてないことで、ヘルシーと受け止められたのです。ちなみに柿の種に入っているピーナッツには海外版では塩味がついています。アメリカでは「Kameda Crisps」という名前で売られています。亀田製菓のチップスということです。外国人が、日本に来た時に本国へのお土産としても人気になってきました。
注:番組 NHK BSの人気番組『cool japan』のこと
https://gendai.media/articles/-/112929
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上記の記事は、鴻上 尚史『クール・ジャパン!? 外国人が見たニッポン』(講談社現代新書)の内容を一部転載したものですが、NHK BS の Cool
Japan は様々な外国人が集まって日本文化を話し合う面白い番組です。今回の記事はその番組の中で日本のお菓子を話し合ったものです。この番組は日曜日の午後6時から放送されており、私も時々見ていますが、日本人が気づかない視点で日本文化を論じており、日本と海外の文化の違いがよく分かります。「日本の常識は世界の非常識」と以前よく言われていましたが、お菓子の世界でもこの事が言えます。とにかく、理屈抜きで「食欲の秋」をおいしいお菓子で楽しみましょう。