#169 ランドセルの旅立ち
この1週間は新年度を迎え、小学校から大学までのほとんどの学校で始業式や入学式が行われました。校舎に生徒の笑顔が溢れて、すっかり学校らしい雰囲気が戻ってきました。学校という場所はもちろん生徒が主役であり、生徒あっての学校です。今年度の学校教育はどのような顔を見せてくれるでしょうか。生徒の明るい笑顔に期待したいと思います。
さて昨日ネット検索をしていましたら、面白い記事に遭遇しましたので、今日はそれを引用します。
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「約9000個のランドセルが旅立ちへ」
(https://www.jiji.com/jc/movie?p=n000844)
使い終わった約9000個のランドセルに学用品を詰めてアフガニスタンの子どもたちに贈る作業が7日、横浜市内で行われた。全国から送られてきたランドセルを、クラレの社員や関係者ら約190人が一つ一つ開封、検品し、ノートやペンを詰めて段ボールに梱包していった。ランドセルは船で運ばれ、秋以降に現地の子どもたちの手に渡る予定。【時事通信映像センター撮影】
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上記のニュースは画像がありますので、ぜひご覧ください。ものすごい数のランドセルが山積みとなり、関係者がが整理に追われています。たしかに小学校を卒業して使われなくなったランドセルは、ただのごみになります。子供の記念としてミニチュアのランドセルに作り変えるサービスもありますが、大抵は押入れの片隅に保存されて、ついには捨てられる運命になるのではないでしょうか。捨てられるくらいなら、古いランドセルを発展途上国の子どもたちに使ってもらう方がランドセルにとって大喜びです。日本のランドセルは作りもしっかりとして耐久性にも優れています。文具を買えない子どもたちにとって、かけがえのないプレゼントになります。心温まるニュースです。
もう一つ似た様なニュースがあります。
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「JR武蔵野線の列車、行き先「ジャカルタ」表示」
(http://www.yomiuri.co.jp/economy/20180407-OYT1T50067.html)
行き先を「ジャカルタ」と表示した回送列車が3月以降、千葉市から新潟市に向けて走っている。日本での役割を終え、新潟の港からインドネシアに輸出される中古車両の活躍を願い、JR東日本の社員が表示板を手作りした。粋な心遣いが、沿線住民や鉄道ファンの間で話題を呼んでいる。
千葉県習志野市のJR新習志野駅に3月30日午前9時半過ぎ、機関車に引っ張られた8両編成の回送列車が到着した。最後尾の運転席上部に掲げられた行き先表示は、インドネシアの首都「ジャカルタ JAKARTA」。ホームでは約50人の鉄道ファンが熱心にシャッターを切る。機関車の警笛が鳴り響く中、列車は異国に向けて旅立った。
車両は営業運転を終えた武蔵野線の「205系」。JR東はインドネシアの鉄道会社から申し出を受け、2020年までに、1985年~91年の製造で更新期を迎えた336両をこの会社に有償で引き渡す。3月2日から順次、千葉支社の車両センターから出発させている。
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日本では一定期間を過ぎると電車は世代交代のために廃車となりますが、まだまだ充分走ることができます。そのような電車たちに第2の人生(余生)を海外で過ごしてもらおうという企画です。電車をただ海外に移送するのではなく、電車に花道を迎えさせるために行先を「ジャカルタ」と表示させたのでしょう。電車たちを気遣い、勇退させようとする日本人らしい発想だと思います。
上記の2つのニュースを通して、久しぶりに日本人らしい細やかさを感じることができました。