#501 17年連続受賞
毎年この時期に発表される面白い賞があります。それはノーベル賞のパロディとも称されるイグノーベル賞です。この賞は毎年ユニークで面白い発明をした人に対して送られる賞です。今年も日本人が受賞しており、17年連続の受賞となっています。読売新聞では今年の日本人受賞を次のように報じています。
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『17年連続イグ・ノーベル賞に日本の研究者、はしやストローに電流流して味覚を変える「栄養学賞」』
【ワシントン=冨山優介】ユニークで奥深い研究に贈られる「イグ・ノーベル賞」の今年の受賞者が14日(日本時間15日)、発表された。電流が流れるはしやストローを使って味覚を変化させる研究に取り組んだ宮下
芳明ほうめい ・明治大教授(47)と中村裕美・東京大特任准教授(37)が「栄養学賞」を共同受賞した。
イグ・ノーベル賞はノーベル賞のパロディー版で、米国の科学雑誌が主催している。日本の研究者の受賞は17年連続となった。
明治大の大学院生だった中村さんと、指導教官だった宮下さんは、受賞対象となった研究を2010年以降に本格的に始めた。電流の刺激を加えると味覚が変わることは知られていたが、食事の際にその効果を活用できるようにするため、食器に電流を流すことを思い付いた。
微弱な電流が流れるストローやはしを使って飲み物や食べ物を口に入れると、塩味が強まったり、金属の味がしたりと、味に変化が出ることを確認。味覚を変える新しい手法として、論文を11年に発表した。
宮下さんの研究室はその後、キリンホールディングスとの共同研究で、減塩食の塩味を強めるスプーンとおわんを開発した。年内にも商品化される予定だ。
宮下さんは「この12年間の大きな進展全体を評価してもらったと思う」と受賞を喜び、中村さんは「健康とおいしさを両立させる技術をさらに発展させていきたい」と意気込んだ。
(https://www.yomiuri.co.jp/science/20230915-OYT1T50161/)
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確かに味覚異常を持っている人に対して朗報だと思います。このように人知れず身近な研究に従事している人が報われるのがイグノーベル賞です。本家のノーベル賞は「人類のために最大の貢献をした人々に送られる賞」ですが、現実の生活と離れている側面があります。一方、イグノーベル賞は日常生活に直結した実用的なものが多くみられ、実用性ではノーベル賞よりも価値がありそうです。ちなみに過去の日本人受賞歴は次のページを参考になさってください。
https://uguisu.skr.jp/recollection/ignobel.html
個人的には世界的にヒットした「タマゴッチ」やイヌの言葉を自動翻訳した「バウリンガル」が好きです。
来年はどのような発明が受賞するでしょうか。今から楽しみです。