#218 大天晴!

 昨日テニスの大坂なおみ選手が全豪オープンテニスで日本人初めて優勝しました。彼女の業績に大いに天晴(あっぱれ)を差し上げたいと思います。テニスの4大大会(全豪、全仏、全英、全米)のシングルマッチで今まで日本人は優賞することができませんでしたが、彼女がこの偉業を成し遂げてくれました。この試合を全国の多くのテニスファンが応援したことと思います。
 スポーツの世界では競技の種類や身体能力の傾向などによって活躍する人種が偏る傾向にあります。例えば陸上では主に黒人が活躍し、フィギュアスケートでは主に白人やアジア人が活躍する傾向があります。テニスもその例にもれず、1960年代までテニスは白人のスポーツとして知られていました。その壁を打ち破ったのが男子ではアメリカの黒人アーサー・アッシュ選手、女子ではオーストラリア人先住民の血を引くのグーラゴング選手だったと記憶しています。
 日本人の活躍する場面はなかなか出てこず、男子では松岡修造の次に錦織圭まで待たなければなりませんでした。錦織はこれまでの男子選手と比べてアメリカでの豊富な練習量に支えられ、またマイケル・チャンの優れたコーチング力を背景に大きな大会で決勝まで進めるほどになりましたが、優勝するにはまだ力不足の感があります。テニスやスケートなど特殊な技術を要するスポーツの勝敗は優れたコーチの存在が欠かせず、例えばジョコビッチのような超一流の選手には常時数名のコーチが付き添っています。言い換えれば、本人の才能や努力だけでなく優秀なコーチとの出会いがその選手の成長を決めることになります。
 私も中学・高校とテニス部に所属し、毎日部活動に明け暮れましたが、テニスはメンタルスポーツと言われるように、精神力が要求されるスポーツです。団体スポーツでは選手がお互いに声かけあって励まし合えますが、個人スポーツでは信頼できるのは自分のみであり、自分で支えるしかありません。この精神力は厳しい練習に耐えることで育まれます。大坂選手は天賦の才能、本人の努力そして恵まれたコーチとの出会いによって開花したと言えるでしょう。
 このことはスポーツだけでなく、人生においても言えると思います。人生において誰とどのような出会いをするかにより、その後の生き方が変わってきます。特に子供たちの持っている才能は側にいる大人たちが見つけてやらなければなりません。子どもの持つ才能と、その才能を引き出す大人との出会い、そして恵まれた練習環境が満たされれば、どの分野においても子供たちは能力を開花させることでしょう。昨今の将棋界や囲碁界で優秀な若者が活躍していますが、このことをよく表しています。今後も大坂選手だけでなく、多くの若い人たちに頑張ってもらい、多くの人たちに勇気と希望を与えてもらいたいと思います。頑張れ若人!

2019年01月27日