#616 注文、あるある
今日は朝から小春日和で、穏やかな一日となっています。明日から北極からの寒気が下りてきて、火曜日は最高気温が12度と予想されています。しばらく冬のような日々が数日続くようです。充分な健康管理をする必要があります。特に体が寒さに慣れていないこの時期は血圧が上がりやすくなりますので、暖かな服装をする必要があります。特に持病がある方は血圧管理が必要です。
さて10年ほど利用した自転車のペダルがついている回転軸がガタつき、乗れなくなる可能性がありましたので、昨日自転車屋で該当する部品を交換しました。ついでにスピードを変える変速機も不調でしたので、変速機を操作するワイヤーも交換してもらいました。修理費が全部で1万円ほどかかりましたが、自転車の乗りごごちは新車のようです。今日は午前中サイクリングがてら隣町の荒尾市まで自転車で行き、買い物をしてきました。寒くも暑くもなく、爽やかな気分でした。
ところで、現在多くの人がスマホを使用していますが、意外にも店によっては注文や支払いに「スマホ限定」があり、特に高齢者が困っているようです。本日は食事する際の「注文、あるある」に関する記事の一部を転載します。おそらく体験したブログ読者もいらっしゃることと思います。かなり長い記事ですが最後までお読みください。
----------
『「高齢者は来るなということ?」スマホ注文できない客を“お断り”…それって差別?カスハラ?』
コスト削減や人手不足の解消を目的に、モバイルオーダーの導入が進む飲食店が増えている。若い世代はデジタル注文を難なく使いこなす一方で、携帯の操作に慣れない高齢者の中には、戸惑いや抵抗を示す人も少なくない。中には、そうした不便さを理由に店へ苦情を申し入れるケースも見られる。「デジタル化」の波の中で、店はどのように対応すべきなのか――。※本稿は、日本能率協会コンサルティング編著『実践カスタマーハラスメント対応ケーススタディ』(経団連出版)の一部を抜粋・編集したものです。
<モバイルオーダーに抵抗を示した年配客>
「ラ・トラットリア」の入り口ドアを開けると、カウンター付近に立っていた山田美香が笑顔で出迎えた。
「いらっしゃいませ」
「あら、美香さん。電話で予約はできないって言われたから直接来てみたの。3人で食事はできるかしら?」。白川恵子は友人2人を伴って店内に入った。
美香は常連客の白川だと気づいた。「あ、白川さん。お久しぶりです。ええ、今なら大丈夫ですよ。こちらの窓際のテーブルはいかがですか?」。
白川たちは案内されたテーブルに着席した。窓際の日当たりの良い席で、友人たちも満足げな様子だった。
「白川さん、実は先週からモバイルオーダーシステムを導入いたしました。スマートフォンはお持ちですか?」。美香は丁寧に説明した。「このQRコードをスマートフォンで読み取っていただくと、メニューが見られて注文もできるんですよ」。
白川は困惑した表情で美香を見上げた。「モバイルオーダー?そんな難しいこと、私たちにはできないわよ。今までのメニューは見せてもらえないの?」
美香は共感する表情を見せながらも、明確に店のポリシーを伝えた。「お気持ちはよくわかります。ですが人手不足もありまして、このシステムを導入することで、良い料理をリーズナブルな価格で提供し続けられるんです。紙のメニューはご用意していないのですが、注文のしかたをお手伝いいたしますよ」。
「でも私、こういうの苦手なのよ」。白川は不満げに言った。
「一度やってみましょう」。美香は優しく促した。白川はためらいながらもバッグからスマートフォンを取り出した。美香は根気強く説明し、QRコードの読み取り方から注文方法まで、一つひとつ教えた。白川は美香の指示に従い、なんとか最初の注文を完了させた。
「やってみると、そんなに難しくないでしょう?」。美香は笑顔で言った。「次回からは、ご自身でできるようになりますよ」。「まあ、やればできるものね」。白川は少し誇らしげに言った。
<「高齢者は来るなってこと?」「長年通ってるのに」と不満爆発>
美香はカウンターに戻り、注文の確認をした。店内は徐々に混み始めた。しばらくして、白川は追加で注文しようと思ったが、美香と翔太は他の客の対応で忙しそうだった。白川は再びQRコードを読み取ろうとしたが、うまくいかない。
「もう、こんなの無理よ」。白川はイライラし始めた。手を挙げて店員を呼ぼうとしたが、なかなか気づいてもらえない。ようやく山田翔太が気づいてテーブルに駆け寄った。「お呼びでしょうか?」。
「追加で注文したいんだけど、このQRコードがうまく読み取れないのよ」。白川は不満げに言った。
「お手伝いしましょうか」。翔太は丁寧に言った。
「いいえ、あなたがやって」。白川はスマートフォンを翔太に押しつけた。
翔太は丁寧に、しかし毅然とした態度で答えた。「申し訳ございませんが、私たちはお客さまのスマートフォンを直接操作することはできないんです。個人情報保護の観点からも、お客さまご自身で操作していただく必要がございます。ただ、私がそばでお手伝いすることはできますよ」。
「何よ、それじゃあどうすればいいの?」。白川の声は大きくなった。「長年通っているのにこんな扱いを受けるなんて。高齢者は来るなということ?」。
<未来を見据えたシステム変更に理解を求めたオーナーシェフ>
この声に気づいたオーナーシェフの山田健一がキッチンから出てきた。健一は落ち着いた様子で白川のテーブルに近づいた。「白川さん、いらっしゃいませ。お久しぶりです」。健一は穏やかな声で言った。「何かお困りのことがあるようですね」。
「健一さん、このモバイルオーダーというの、私たちには難しすぎるのよ。長年通っているのに、こんな扱いをされるなんて」。白川は訴えるように言った。
健一は真面目な表情で応じた。「白川さん、長年のご愛顧、本当にありがとうございます。ただ、このシステム変更は、より多くのお客さまに良い料理をお手頃な価格で提供し続けるための決断なんです」。でも、年寄りのことは考えてないじゃない」。白川は言い返した。
「そんなことはありません」。健一は静かに、しかし毅然と答えた。
「私たちはすべてのお客さまに快適に過ごしていただきたいと思っております。ただ、時代の変化に合わせて私たちも変わらなければ、このレストランを続けていくことができないんです」。
「それに、スマートフォンをお持ちの白川さんなら、少し慣れれば十分に使いこなせると思います。最初は翔太や美香がお手伝いしますから、ぜひご自身でトライしてみてください」
白川は不満げな表情を崩さなかった。「あちらのテーブルの人たちは割引を受けているみたいだけど、どうして教えてくれないの?」。
「あれは当店のアプリ会員さまの特典です」。健一は説明した。「アプリをダウンロードして会員登録していただければ、白川さんにも同じ特典が適用されますよ」。
「そんな面倒なこと、できないわ」。白川はきっぱりと言った。「長年の常連なんだから、特別扱いしてくれてもいいじゃない」。
<「こんな店には二度と来ない」とうとう出ていった常連客>
健一は深呼吸して、優しくも明確に答えた。「白川さん、長年のご愛顧には本当に感謝しています。しかし、すべてのお客さまに同じルールで対応させていただくことが、公平なサービス提供につながると考えています」。
白川の表情が険しくなり、声も大きくなった。「つまり、私たちのような年寄りは来るなということね?こんな扱いを受けるぐらいなら、もう来ないわよ」。
健一は困惑しつつも、毅然とした態度を崩さなかった。「そのようなことを申し上げるつもりはありません。白川さんにはこれからもお越しいただきたいと思っております。ぜひ、当店のシステムをご理解いただき、できる範囲でご協力いただければと思います」。
「もういいわ」。白川は立ち上がった。「こんな不親切な店には二度と来ないから。友だちにも言っておくわ」。
健一は静かに頭を下げた。「ご不便をおかけして大変申し訳ございません。もしお気持ちが変わられたら、いつでもお待ちしておりますのでお越しください。初めは不慣れでも、私たちがお手伝いしますので」。白川は友人たちを連れて、怒りながら店を出ていった。
<例外を作り始めるとシステム導入の意味がなくなる>
店内が落ち着いた頃、家族3人はカウンターに集まった。「お父さん、あれでよかったの?白川さん、長い間来てくれた常連のお客さまだったのに」。翔太は心配そうに尋ねた。
健一は穏やかな表情で息子に答えた。「確かに残念だよ。でも、私たちには私たちの方針がある。1人のお客さまのために例外を作り始めると、システム導入の意味がなくなってしまう」。
「お客さまにはできないと決めつけるよりも、挑戦される機会を提供する方が、本当の意味での敬意ではないかしら」
健一はうなずいた。「そうだね。私たちができるのは、変化への適応をサポートすることだ。それに、私たちの新しいやり方を根本から変えるわけにはいかない」。
「でも、白川さんたちみたいなお客さまを失うのは痛いよね」。翔太は少し落ち込んだ様子で言った。
「確かにそうだ」。健一は認めた。「でも、このシステムのおかげで、より多くの新しいお客さまにも来ていただけるようになった。長い目で見れば、これが正しい選択だと信じているよ」。
3人は店内を見渡した。多くの客がスマートフォンでスムーズに注文し、会話を楽しみながら食事をしている様子が見えた。
「結局、すべてのお客さまに満足していただくことは難しいのかもしれない。でも、私たちの信じる方向性を貫き、できる限りのサポートを提供していこう」。健一は静かに言った。
美香と翔太はうなずき、それぞれの持ち場に戻っていった。店内には再び、心地よい会話と食事を楽しむ客たちの声が響いていた。
https://diamond.jp/articles/-/376058
----------
上記の記事は次にカスハラ(カスタマー・ハラスメント)の対処について記事が続きますが、ここでは割愛します。全文をお読みになりたい方は上記のアドレスをクリックしてください。
上記の体験は老若男女問わず、初めてスマホを使用した方は誰でもこの体験したことがあると思います。スマホでQRコードをうまく読み取れずにイライラした経験は私もあります。テクノロジーの発達のおかげで社会の様々な分野で便利になる一方で、ネットや最新の機器に詳しくない人(特に高齢者)はスマホを使って注文する仕方が分かりません。私はセキュリティーのためにスマホ決済をしないようにしています。ネット通販ではクレジットカードを使う必要がありますが、それ以外では店での商品の支払いはすべて現金で払っています。
ブログ#615で述べましたが、情報漏洩を避けるためです。また現金で支払うことで財布の中のお金が減っていき、お金の使用感が体感できます。ネット通販ですとお金を使った実感があまりわきません。つい使いすぎる傾向になります。現金派かQR決済を含むカード派かは好みの問題です。デジタル決済を使用する際の情報漏洩に充分注意したいところです。