#211 ロボットカフェ登場

 今日は朝から雨が降っています。もう少し気温が下がればみぞれや雪に変わるのでしょうが、冬には珍しく本降りの雨が降り続いています。
 さて今日のブログのテーマはロボットカフェです。現在ロボットは様々な分野で働いており、工場などで働く「機械」としてのロボットから、ホテルの受付嬢や病院で介助人として働く人型ロボットまで用途が様々で、人間との接点がますます広がっています。そのような状況下で新しい種類のロボットが登場しました。カフェで働くロボットです。このロボットの大きな特徴は身体を動かせない身障者の方々がロボットを遠隔操縦していることです。かなり長くなりますが、ロボットカフェのニュースを紹介します。

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Yomiuri Online (https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20181211-OYTET50035/)
『自宅から遠隔操作できるロボットカフェ
   病気や障害で外出が難しくても自分の声で「いらっしゃいませ」』

 ロボットが接客する新しいタイプのカフェが11月26日から12月7日まで、都内で期間限定で営業した。身長120センチの白いロボットが3台、店内を動き回って注文を取り、お客さんの待つテーブルへコーヒーやオレンジジュースを運んだ。
 「いらっしゃいませ」「飲み物は何になさいますか?」「今日はどちらから?」。ロボットから聞こえてくるのは電子音ではない。本物の人の声だった。

【ロボットを動かしたのはALSや頸髄損傷などの男女10人】
 実はこのロボット、外出が困難な人たちが、自宅に居ながら遠隔操作していた。筋 萎縮 性側索硬化症(ALS)や 頸髄 損傷で自力歩行が難しい人など、20~40歳代の男女10人が、全国から公募で選ばれた。「テクノロジーの力があれば、重い障害がある人が働ける場所を作れる」。ロボットを開発したオリィ研究所(東京)代表の吉藤健太朗さん(31)は胸を張る。
 カフェがオープンしたのは、東京・赤坂にある日本財団ビルの一角。接客するロボットの名前「OriHime(オリヒメ)-D」は、七夕にちなみ、「離れていても会えるように」という願いを込めて名付けられた。専用ソフトをインストールしたパソコンがあれば、遠くにいても操作は簡単だ。ロボットの額にあるカメラが撮影した映像を自分のパソコン画面で見ながら、マウスをクリックし、進行方向を決める。内蔵されたマイクで客に声をかけることもできる。

【28歳で亡くなった親友の言葉が開発のきっかけ】
 カフェのオープンを前に、ロボットのOriHimeを片手に意気込みを語ったオリィ研究所の吉藤さん。初日の営業が終わったあと、吉藤さんは店内を眺めながら、つぶやいた。「番田に見せられなくて、悔しいですね。」
 番田雄太さんは、吉藤さんの秘書。今回のカフェの実現を心待ちにしていた親友でもある。4歳で交通事故に遭い、頸髄を損傷した番田さんは、手足を自由に動かせなくなり、20年以上、入院先の病院や自宅のベッドで過ごしてきた。吉藤さんの存在をインターネットで知り、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を通じて連絡してきたのをきっかけに知り合い、2015年から同研究所で活動をともにした。
 番田さんは吉藤さんの机の隣に置かれた20センチの小型のOriHimeを介して、岩手県の自宅や入院先の病院から“出勤”。 顎あご で動かす特殊なマウスでパソコンを操作し、秘書として吉藤さんのスケジュールを管理したり、名刺を整理したりした。
 約3年前のある日、吉藤さんは番田さんに声をかけ、冗談でこう言った。「秘書なら、私の肩もんだり、コーヒーを持ってきてよ」。すると、番田さんは「じゃあ、そんな体つくってくれよ」と返した。今のOriHimeより大きな、番田さんの分身になるロボットをつくる。それを動かして、カフェができたら……。この会話をきっかけに開発が進んだ。

【同じような境遇の人たちに希望を】
 だが、番田さんは昨年9月、28歳の若さで亡くなった。吉藤さんは一時、気力をなくし、夢を見失いかけた。また前を向けたのは、こんな思いからだ。「番田は自分のためだけにカフェをやりたかったわけじゃない。同じような境遇の他の人たちにも、希望を与えたいと言っていた。」ようやく実現したカフェは連日満席。営業日10日間で約900人が訪れるにぎわいぶりだった。

【記者もカフェ体験 取材相手とロボット介して再会】
 記者もカフェを体験。ホットコーヒーを飲みながら、ロボット操作役の「さえちゃん」との会話を楽しんだ。オープン初日には、記者もカフェを体験した。温かいコーヒーをトレーに載せ、ロボットはそろりそろりとテーブルへ近づいてきた。その姿は、湯飲みをお盆に載せて運ぶ「からくり人形」に似て、なんだか面白い。「どうぞお取りください」。到着したロボットに促され、トレーからコーヒーを受け取った。
 ロボットの左胸には「さえちゃん」とニックネームが書かれたプレートが付いている。「さえちゃん」は埼玉県の女性(36)。身体症状症という病気で、吐き気やめまいを起こしやすく、外出が難しい。ロボットを操作しての接客は、約10年ぶりの仕事。「社会から切り離された気持ちが強くなっていたけど、今日は家にいるのに人と関わることができています。自分や難病の人だけじゃなく、育児や介護で悩んでいる人など、いろんな人を外の世界とつなぐ可能性を秘めていると感じました」。仕事の合間、女性はそう語った。

【11月24日付の夕刊で紹介した永広さんとも、ロボットを介して「再会」】
 カフェのオープンを前に、読売新聞夕刊(11月24日付)の記事で紹介した永広 柾まさ人と さん(25)とも、ロボットを介して「再会」した。永広さんは全身の筋力が低下していく脊髄性筋萎縮症(SMA)という難病を患う。わずかに動かせる指先を使ってマウスを操作し、都内の自宅からロボットを動かす。勤務1日目の感想を聞くと、永広さんは「緊張して言葉につまることもあったけど、お客さんに楽しんでもらえたみたいでよかった」と答えてから、「働くって疲れるんですね」と言い添えて笑い声を上げた。共感した記者もつられて笑ってしまった。「ほかにロボットを使って挑戦したいことは?」という質問には、少し考えて「楽器を弾いてみたい。バイオリンの音色が好きなんです」と教えてくれた。今回、操作役の10人には時給1000円が支給される。「給料が出たら、家族に贈り物をしたい」と話している人もいる。

【どんな人も働くことにチャレンジできる未来へ】
 中央省庁の障害者雇用水増しが問題になった昨今、体が不自由な人の働く場所は不足し、周りの理解も進んでいないように思える。人工知能(AI)を活用した技術の登場で、単純労働を中心に、人間の仕事が機械に取って代わられるのではないかと不安の声も聞かれる。
 一方、今回のカフェは、重い障害で外出が難しい人であっても、在宅での仕事を可能にする一つの実例を社会に示した。同研究所は2020年をめどに、常設店の開業や他業種への拡大など、ロボットの様々な使い方を検討していく予定だ。
 吉藤さんは「体が自由に動かせなくても、番田はやりたいことを諦めなかった。ロボットを使って『働きたい』『誰かの役に立ちたい』という思いをかなえてもらえたら」と語る。
 テクノロジーの使い道も、視点を変えれば、多様な働き方を生み出せるかもしれない。どんな人も働くことにチャレンジできる未来に期待したい。
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 ロボットカフェは身障者の方々にとって朗報です。障害のレベルにかかわらず、外部の人達と仕事をしながら会話を楽しみ、おまけに給料ももらえます。従来では病室や自宅に閉じこもらざるを得なかった人々が健常者と同じように働くことができるのです。このようなロボットカフェを全国に展開して、多くの身障者が働き、生きがいにしてもらいたいと思います。さらにAIなどの技術が進めば、遠くない将来にロボットに介助してもらい、買い物もロボットに行ってもらうことも可能です。ロボットのカメラを利用して途中の景色も楽しめます。兵器開発に多大の費用を使う代わりに、本当に人間に役に立つロボットを開発したほうが、老人介助や身障者介護のような社会福祉の点で人類に大きく貢献できます。そのような日が来ることを待ち望みたいと思います。

2018年12月16日