#432 三省堂、また会う日まで
今日は5月15日、沖縄復帰の日です。本土復帰から50年経ちますが、米軍基地問題など問題が山積しており、国際情勢も反映して本来の沖縄に戻るにはまさまだ時間がかかりそうです。
さて、東京の老舗書店の1つである三省堂ビルが建て替えのために取り壊されることになりました。読売新聞では次のように報じています。
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『三省堂の神保町本店が一時閉店、社長「本にしおりを挟むのと同じです」』
本の街「神保町」を象徴する存在として親しまれてきた東京都千代田区の三省堂書店神保町本店が8日、建て替えのため一時閉店した。ビルの老朽化が進んだことなどが理由という。建て替え中は近くの仮店舗で営業し、2025年に新店舗での開業を予定している。
1981年にオープンした現在の店舗は、6階まで売り場があり、約140万冊を扱っていた。同新宿区の紀伊国屋書店新宿本店などと並び、都内の大型書店の先駆けだった。本の街らしく、文芸や人文書などの書籍に詳しい店員が多かった。近年は話題の新刊を塔のように積み上げて売る「タワー積み」などが名物となっていた。
元店員の女性(57)は、「村上春樹さんの『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』は発売のとき、タワー積みをして1日2000冊が売れました」と懐かしんだ。
「お店で働く前の学生時代から訪れた思い出の店でした。本の好きなお客さんが多く、こんなことを知らないのかと怒られることもありました」という。
閉店後の午後8時半から正面入り口で行われたセレモニーで、三省堂書店の亀井崇雄社長(46)は「一時閉店をさせていただきますが、これは本にしおりを挟むのと同じようにまた物語を再開するのに必要なステップです。我々はこの時代の大転換期に第二の創業のつもりで次世代の新しい書店を目指す挑戦をすることにいたしました」とあいさつした。一時閉店後は、6月1日から近くの仮店舗で営業を行う。
(https://www.yomiuri.co.jp/culture/20220508-OYT1T50096/)
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以前は東京で教員研修会があったり、本の買い出しで年に1,2回上京する度に、決まって最初に行く書店が三省堂でした。JRお茶の水駅から歩いて坂を下り、小川町交差点近くにこの書店があります。店内の各階を散策しながら、面白そうな本を見つけると手にしてページをめくり、早速購入したものです。この三省堂から西へ進むと神保町の古書店街が広がっています。世界最大の古書街です。全部で百数十件ほどの古本屋が並んでおり、ぶらぶら歩きながら気に入った店に入り、書棚に視線を移したものです。
東京には他に多くの大型書店が立ち並んでします。この数年間は東京へ行く機会はありませんが、三省堂に続いて、新宿の紀伊国屋書店本館、池袋のジュンク堂本店、東京駅にある丸善本店、それに八重洲ブックセンターには必ず足を運びます。これらの書店で入手できない本はどこへ行っても手に入りません。
最近はアマゾンで購入することが多くなりましたが、やはり本は自ら手に取り、ページをめくって内容を確認した後に購入するものだと思います。デジタル時代でもあり、電子書籍も人気がありますが、書籍のような気がしません。やはり両手に本の重さを感じながら一字一句目を通していくのが読書の醍醐味だと思います。もし、東京へ行かれる方があれば、ぜひこれらの書店に立ち寄ってください。本の世界が広がります。