#194 ブルータス、お前もか
9月に入り、暦の上では秋になりましたが、まだまだ残暑の厳しい日々が続いています。学校はすでに2学期が始まりましたが、日中の暑さは収まらず、エアコンの設置がない学校では子ども達の健康が心配されます。また私たちの夏バテ解消も涼しい季節を迎えるまで、もう少し時間がかかることでしょう。
さて、ほほえましいニュースをお伝えしたいところですが、スポーツ界でまた不祥事が発生しました。今度は体操界の不祥事です。記憶に残る不祥事だけでも、レスリングの伊調選手へのパワハラ、日大のアメフト問題、アマチュアボクシング界の試合での不正判定、アジア大会でのバスケットボール選手の買春問題、そて今回の体操界における暴力行為だけでなく、塚原夫妻によるパワハラ疑惑など次々にスポーツ界の不祥事が暴露されています。以前では隠蔽されていたものがSNSなどの発達で世の中にすぐに拡散される時代です。また不祥事に対する人の意識がは変わってきたことも不祥事は発覚一因となるのでしょう。
スポーツの本来の目的は身体と精神を鍛え、スポーツを通じて人格を向上させることだと思います。確かにスポーツには勝負事の一面があり、アスリート達は勝利に向かって自分自身を鍛え、他者に勝利するために全てを犠牲にして日々猛練習を行います。その中で一握りの選手が栄冠を手にすることができます。特にオリンピックや世界大会で活躍するレベルでは、3,4歳の幼い頃から専門のスポーツに接することが必要となります。幼い頃からの不断の努力の結果、栄冠を手にしたアスリートに対して惜しみない称賛が与えられます。スポーツの持つ素晴らしい一面です。
しかし現在発生している様々な不祥事はスポーツ界だけでなく、権力を持つ者の持つマイナスの面が現れている気がします。民間レベルでも、国家レベルでも、権力の座に就いた者は自分の言動に絶えず注意して行動しないと、周囲を恐怖と混乱に陥れます。その結果、民間レベルでは企業内で不正が横行し、業績が傾いたり最悪の場合は倒産したりします。大塚家具やヤマト運輸がこの例に当てはまります。国家レベルでは昨今の文科省や財務省の官僚たちが隠蔽行為がそれを端的に示しています
権力の座に就いた当初は気も引き締まり、様々な課題に誠実に取り組み、実績を残しますが、権力の座に長く留まりますと気が緩み、様々な不正が横行するものです。今回の体操界の不祥事を知り、「ブルータス、お前もか」という気持ちになりました。不義、不正が横行する世の中ですが、せめて努力した選手が正当に報われるスポーツ界であってほしいと思います。