#645 病院倒産時代

 5月もすでにみそかとなり、明日から6月が始まります。まだ入梅の気配はありませんが、台風6号が沖縄・九州地方に接近しており、火曜日を中心に大きな災害が発生すると予想されています。あらかじめ充分な台風対策が必要です。
 さて、最近のニュースで病院の経営が悪化し、倒産する病院が増えています。福岡県内でも大きな病院が閉院するニュースが流れました。具体例として県内では次の病院が閉院、倒産すると西日本新聞で報道されています。

・久留米大学医療センター https://www.nishinippon.co.jp/item/1496656/
・産業医科大若松病院 https://www.nishinippon.co.jp/item/1496812/
・久留米中央病院 https://www.nishinippon.co.jp/item/1417031/

 かつては病院は安定経営で、倒産しにくい業種と考えられていました。今でも医者と弁護士は失業しないという印象が世間にはあります。しかしながら、景気の悪化や物価高など様々な要因により病院倒産の時代を迎えているようです。本日はこの話題に関する記事を紹介します。

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『九州の医療機関倒産が最多ペース 物価高、追いつかぬ診療報酬…』
 地域医療の担い手がまた一つ、姿を消した。福岡県久留米市の久留米中央病院の閉院は、全国で相次ぐ医療機関の経営破綻と背景が重なる。物価高騰が続く中、診療報酬は十分に引き上げられず、新型コロナウイルス禍で広がった受診控えの影響も尾を引く。地方では医師不足や後継者難も深刻化。高市早苗首相は医療機関への支援を打ち出すが、「早くしないと地域医療を守れない」と現場は危機感を募らせる。
 「物価が上がっても、メーカーのように値上げができないのが医療。経営は厳しい」と明かすのは、福岡市内の中規模病院の70代理事長。人件費や光熱費、入院患者の食材費などが軒並み上昇し、「手術の件数が増えても、コストの方が上回る」とため息をつく。
 別の病院では、医師や看護師だけでなく事務職員の採用に苦戦。外来・入院とも患者数がコロナ禍前の水準に戻らず、デジタル機器の整備や維持費も重荷になっている。赤字に陥る月もあり、将来的な施設の建て替えや設備投資に備える余力は「ない」という。
 帝国データバンク福岡支店によると、2025年1~9月に九州・沖縄で倒産した医療機関(病院、診療所、歯科医院)は9件。00年以降で過去最多だった24年に迫るペースで推移しており、県別では福岡が3件で最多。熊本と長崎が各2件、佐賀と宮崎が各1件だった。
 病院の収入源となる診療報酬は原則2年に1度の改定で、物価高によるコスト上昇に追いついていない。過疎地域では医療従事者の確保が困難で、患者の受け入れにも影響しかねない。加えて、新型コロナ対策で実施された実質無利子・無担保融資(ゼロゼロ融資)の返済負担も経営を圧迫しているという。
 福岡支店情報部の秋山進氏は「物価高を考慮した診療報酬の引き上げや、都市部に集中しがちな医師の地方への適正な配置、病院側の経営努力が必要」と指摘する。
 無床診療所も例外ではない。福岡市医師会が6~7月に実施した調査(回答347件)では、66・3%が減収。そのうち半数が2割以上の収入減に直面していた。人件費は「約2割増」が10・9%、「約3~5割以上増」が6・2%に上り、「院長や理事長が自らの給与を減額して対応しているところもある」と医師会は明かす。
 高市首相は所信表明演説で「赤字に苦しむ医療機関や介護施設への対応は待ったなし」と述べ、診療報酬改定を待たずに補助金を前倒しで支給する方針を示した。しかし、国会で少数与党となる中、対応が後手に回る恐れもある。
 ある医療関係者は「人口減少で長期的に病床が減っていくのはやむを得ない」としつつ、こうも言った。「議論している間に、物価高による経営難でバタバタと医療機関が閉院してしまう」
https://www.nishinippon.co.jp/item/1417387/
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 「病院経営は安定している」と考えられた時代は過去のものとなったようです。上記の記事のように様々な要因が病院経営を難しくしています。特に地方の病院が閉院してしまえば、患者さんは遠くの病院まで数時間かけて通院しなければなりません。また病院数が減少すれば緊急の手術や治療に対応できず、助からない命が増えます。
 このように地域の医療福祉に大いに関係のある医療機関の減少はその地域の住民に多大な影響を与えます。国や地方自治体はこのような状況を把握し、経営の厳しい医療機関に対して支援の手を伸ばすべきです。そうしないと、医療崩壊は国民の健康に多大な悪影響を及ぼし、国民の命にかかわります。結果として将来ますます人口減少につながることことになります。早急に具体的な対策を取るべきです。

2026年05月31日