#527 深い闇

 ここ1週間、日本だけでなくアメリカや多くの国が騒然としています。大谷選手の通訳だった水原氏の違法ギャンブルの話題です。事件の詳細は今後の展開に委ねるとして、今回の事件の原因となったのが「ギャンブル依存症」です。ここで「ギャンブル依存症」の定義を意外と知らない人が多いので、「依存症対策全国センター」のホームページから転載します。
----------
『ギャンブル依存症ってどんな病気?』
 いわゆるギャンブル依存症は、1970年代後半にWHOにおいて「病的賭博」という名称で正式に病気として認められました。その後の研究によってこの病気への理解が進み、ギャンブルがやめられないメカニズムはアルコール依存症や薬物依存症と似ている点が多いことがわかってきました。このため、アルコール依存症等と同じ疾病分類(物質使用障害および行動嗜癖)に「ギャンブル障害」として位置づけられ、依存症として認められるようになりました。

<ギャンブル依存症の症状>
・ギャンブルにのめり込む
・興奮を求めて掛金が増えていく
・ギャンブルを減らそう、やめようとしてもうまくいかない
・ギャンブルをしないと落ち着かない
・負けたお金をギャンブルで取り返そうとする
・ギャンブルのことで嘘をついたり借金したりする

 といった症状が特徴的です。ギャンブルをする人は誰でもギャンブル依存症になりえます。リスク因子としては、若い人、男性、ストレスへの対処がうまくない人、ギャンブルが身近にあるなどの環境要因などが指摘されています。
 また、パチンコやスロットのような電子ゲーム機の場合は、機械そのものに依存させる要因があります。例えば、あと一歩で当たる場面を見ると、脳の中の高揚感を感じる部位(「報酬系」と呼ばれ、ドーパミンという物質が関係しています)の働きが活発になってギャンブルを続けたいと思わせてしまいます。また、パチンコ台やスロット台の画像や音響には、負けていても勝っているかのような錯覚をおこさせて脳内の報酬系を活発にする効果があります。
 最初のうちは、このような報酬系の反応が関与してギャンブルを繰り返しますが、依存が形成されるとやめたいと思いながらもなかなかやめられない状態へと移行していきます。
 ギャンブル依存症の方々は、負けが続いても最終的には勝てると確信していたり、負けた時のことはよく覚えていないのに、勝った時のことはよく覚えていたり、迷信的な行動で運をコントロールできると信じたりするように、ギャンブルに対する考え方が偏っている場合がほとんどです。従って、ギャンブル依存症の治療では、このような考え方の偏りを見直したり、金銭管理をはじめとした日常生活を変えたりすることでギャンブルをしたい気持ちを低減させたり、効果的な対処法を身につける認知行動療法と呼ばれる治療プログラムが有効です。また、ギャンブラーズ・アノニマス(GA)というギャンブル依存症の人達の自助グループが全国にあり、GAミーティングに参加することも病気からの回復の助けになります。
https://www.ncasa-japan.jp/understand/gambling/about
----------
 上記にあるように、ギャンブル依存症は誰でもなりえる病気です。上記の説明にはありませんが、ゲーム依存症、スマホ依存症もこの範疇に入れることができると思います。パチンコなどは入場に年齢制限がありますので小中学生はできませんが、ゲームやスマホになると年齢制限がないので、熱中し過ぎると依存症に陥る危険性があります。課金で100万を超えた子供もいるそうです。大切な人をこのような状態にさせないために、日頃より依存症に陥る状況になっていないか注意を払う必要があります。

2024年03月24日