#382 赤い花 白い花

赤い花摘んで あの人にあげよ
あの人の髪に この花さしてあげよ
赤い花 赤い花 あの人の髪に
咲いて揺れるだろう お日様のように

白い花摘んで あの人にあげよ
あの人の胸に この花さしてあげよ
白い花 白い花 あの人の胸に
咲いて揺れるだろう お月さんのように

 上記の歌は「竹田の子守唄」や「翼をください」等を歌っていたフォークグループ「赤い鳥」が歌った「赤い花白い花」です。赤い鳥の隠れた名曲で、世代を超えて歌い継がれています。私はこの歌を長い間「赤い鳥」のオリジナルソングだとばかり思っていました。ところが昨日のBS朝日の番組「子供たちに残したい美しい日本のうた」(毎週土曜日10時から12時まで放送中)で偶然この歌の解説が流れ、無名の女子高校生が口ずさんでいた歌だと知り、本当にびっくりしました。事の経緯は次の通りです。
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 作詞・作曲の中林三恵さん(当時 遠藤三恵さん)が1960年代初めごろに、口ずさんでいた曲を群馬大学在学時代の、1964年秋に学内にて発表。群馬大学の学生の間で広がっていったのが始まりです。
 数年後に北海道で歌われていたこの曲を「赤い鳥」のメンバーが知るところとなり、誰が作った曲か全くわからなかったため、某ラジオ番組にて、作者が誰かを全国に呼びかけた所、群馬大学の学生が聞いていて、中林三恵さんに手紙で伝え、中林三恵さんの作品だと知られることとなりました。
 1970年に「赤い鳥」がシングルのB面にてレコード化。さらに、1976年に「みんなのうた」で「ビッキーズ」が歌ったことにより全国的に知られることになる。
 なお、芹洋子さんが1977年にレコード化する際、中林三恵さんが書下ろした新しい3番の歌詞が追加されました。

赤い花揺れる あの娘(コ)の髪に
やさしい人の 微笑みに揺れる
白い花揺れる あの人の胸に
愛(イト)しい人の 口づけに揺れる
口づけに揺れる
(https://dic.nicovideo.jp/a/赤い花白い花)より抜粋
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 プロやアマにかかわらず、自分の作った歌が時代を超えて歌い継がれていくのは作者冥利につきます。ちなみに赤い鳥が歌った「竹田の子守唄」も作者不詳で、京都の被差別部落の子どもの労働歌として伝わったものです。「赤い花白い花」を聞きたい方はYouTubeでお聴きになれます。
(https://www.youtube.com/watch?v=TsCcAqGheWg)

2021年06月06日