#223 1早春賦

『早春賦』 (作者:吉丸一昌、 作曲:中田 章)
春は名のみの 風の寒さや
谷のうぐいす 歌は思えど
時にあらずと 声もたてず
時にあらずと 声もたてず
氷融け去り 葦(あし)はつのぐむ
さては時ぞと 思うあやにく
今日も昨日も 雪の空
今日も昨日も 雪の空
春と聞かねば 知らでありしを
聞けばせかるる 胸の思いを
いかにせよと この頃か
いかにせよと この頃

(歌詞の意味)
春とは名ばかりの風の寒さ
谷のウグイスは 歌おうと(鳴こうと)するが
まだその時ではないと 声も出さない
氷は解け 葦(あし)は芽吹く
もう春が来たかと思ったが あいにく
今日も昨日も雪模様だ
春だと聞かなければ
知らなかったのに(気づかなかったのに)
聞いてしまったから気がはやる
(そわそわして落ち着かない)
この気持ちをどうしたらいいのか 今頃の時期は
(http://worldfolksong.com/songbook/japan/soushun.htm より引用)

 上記は有名な「早春賦」の歌詞と、その意味を載せています。今日は3月3日、ひな祭りの日です。昨晩から雨が降り続いており、3月にしては「春は名のみ」の肌寒い日となっています。これからもまだまだ寒い日が続きますが、季節は次第に真春に向かって進んでいきます。多くの高校では3月1日が卒業式で、私が講師として勤めている明光学園の卒業生も3月1日に学び舎を巣立って行きました。私個人としては教員生活30年のうち、高校3年生を15年ほど担当し、高3の担任を10回経験しました。教え子達から時々便りをもらいますが、社会の中堅として様々な分野で活躍しているようです。
 学び舎を去って行く卒業生は母校を訪れる機会はあまりありませんが、卒業生を送る立場の教員は同じ学び舎で毎年卒業生を見送ります。特に卒業生と関わりの深い高3の学年団は進路相談や人生相談まで様々な相談に応じつつ、最終学年の生徒一人ひとりに気を配りつつ、本人たちの将来を案じます。私の場合は教職歴の半分を高校3年生と共に過ごし、他の学年では経験できないような多くの貴重な体験をさせて頂きました。毎年この時期になりますと、卒業していった生徒たちの顔をふと思い出したりします。教え子たちが学び舎に一堂に集まることは二度とありません。喜びも悲しみもすべて思い出の中に佇んでいます。4月になれば、また新しい生徒との出会いが待っています。人の出会いと別れは毎年3月・4月に繰り返されます。

2019年03月03日