#488 スカイネット到来?
梅雨の晴れ間で、今日は朝から晴れています。数日前には30度を記録した大牟田でしたが、今日はそれほど高温にならないようです。しかし梅雨本番はこれからです。豪雨や洪水に充分注意する必要があります。
さて、最近特に何かと話題に登場するのが生成AIです。この件に関して肯定する人から否定する人まで様々な意見が世の中に飛び交っています。先日東京都の教育委員会が各学校に「生徒がAIを使用して読書感想文などの課題をしないように」通達しました。また国内の大学では、ChatGPT利用の基準を示したり、注意喚起を行うところも出てきています。このような状況下でCNNが次のような記事を出しました。
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『「AIが5~10年以内に人類を破滅させる可能性」、CEOの42%が予想』
ニューヨーク(CNN Business) 人工知能(AI)がそれほど遠くない未来にもたらし得る人類存亡の脅威について、企業経営者の多くが真剣に危惧している実態が、米イエール大学の意識調査で明らかになった。
調査はこのほど開かれたオンラインイベントのイエールCEO(最高経営責任者)サミットで、119人のCEOを対象に実施。うち42%が、AIは今から5~10年以内に人類を破滅させる潜在的可能性があると回答した。
この調査にはウォルマートのダグ・マクミリオン氏やコカ・コーラのジェームズ・クインシー氏をはじめ、ゼロックスやズームなどのIT企業や医薬品、メディア、製造業など様々な業界のCEOが協力している。
<AIの危険性をめぐっては大きく意見が分かれた。>
AIが人類を破滅させる可能性について、CEOの34%は「10年以内」、8%は「5年以内」に起こり得ると回答。一方で、その可能性はなく「心配していない」とするCEOは58%に上った。
AIが惨事を引き起こす可能性については「誇張されすぎ」とみるCEOが42%だったのに対し、「誇張ではない」としたCEOは58%だった。
一方、AIの潜在的チャンスについて「誇張されすぎ」とする意見は13%にとどまり、「誇張ではない」が87%を占めている。
AIが変革させる可能性がある業界は、ヘルスケアの48%を筆頭に、プロフェッショナルサービス/ITが35%、メディア/デジタルが11%だった。
(https://www.cnn.co.jp/tech/35205269.html)
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このようなニュースが流れたときに、私はふと「スカイネット」のことを思い出していました。スカイネットとはアーノルド・シュワルツェネッガーが主演した映画「ターミネーター」に登場した、人類の敵である自我を持つ人工知能のことです。「ターミネーター」シリーズを見た人はお分かりと思いますが、インターネットで繋がれた世界が、スカイネットと呼ばれる人工知能によって支配され、人類に対して敵対姿勢を取り、ターミネーターのいる未来では人類滅亡を図っています。
映画の詳細は実際に映画を見ていただくことにして、私が危惧していることは、ChatGPTを始めとする生成AIの進化があまりにも早すぎることです。その学習スピードに人類はついて行くことができません。現在ではChatGPTはネット上にある膨大な情報を用いて文章や画像、映像までも秒単位で作成します。またディープラーニングと呼ばれる学習では、まるで人間が学習しているように多くの分野で学習し、自らの知識にすることができます。
人間のような感情や創造性、知性をAIは獲得できないと言う専門家もいますが、AIも今後は独自の感情や知性を持つと私は思っています。人間の感情や創造性、知性とは、結局今まで蓄積した物事の取捨選択の結果でしかなく、膨大な量の情報を有するAIであれば、人間のような判断が可能です。否、人間の判断を超えた神に近い判断ができるでしょうか。欠点の多い人間の判断よりも、正確無比なAIの判断を信じる人が増えていけば、将来「AI教」のようなAIを「神」とする宗教が登場するのでしょうか。
このような人類の未来を分断するような時世に今日の私たちは生きています。確かに生成AIは大変便利な道具ですが、使い方を間違えると人類を滅亡させるような怪物に育てることも可能です。人類がAIを利用し新しい世界観を身につけ、科学技術をさらに発展させるか、あるいはAIによる人類滅亡を引き起こすようなことを人類が模索し始めるかは今の私たちにかかっています。