#594 新アヘン戦争勃発?
早くも梅雨明けとなりました。気象庁は最も早い梅雨明けと説明していますが、同じような状況が2022年に発生しています。ウェザーニュースによると、「2022年は梅雨明けが6月27日から29日となり、平年より大幅に早く、記録的に期間の短い梅雨として速報値では発表されていました。しかし、9月1日に発表された確定値では、九州南部から関東甲信の梅雨明けは7月下旬と1か月近くも遅く修正され、北陸と東北(南部・北部ともに)では梅雨明けの時期を特定できないと見直されました。」とあります。今年の夏がどのような天候になるか分かりませんが、このまま梅雨明けとなりますと、梅雨時期に雨が少なかった地方では、干ばつとなり稲の生育に大きな影響が出ます。その結果米の出荷量が減少し、さらに米価の高騰につながるかもしれません。極端な天候は様々な経済活動に大きな影響を与えます。何事もほどほどが大事です。
さて、世界中に麻薬や覚せいなどの薬が蔓延しています。すべて金儲けのために反社グループが薬を生産したり、購入したりして一般人に売りつけ大金を手に入れ、それを元手に様々な反社会行動を行っています。最近では薬だけでなく、ネットを利用して「オレオレ詐欺」などの新手な犯罪を生み出し、一般市民から金銭を巻き上げています。このような犯罪行為は日本だけでなく世界中いたる所で行われています。すべてが金儲けのために行われています。
この麻薬を用いた歴史的な悪の行為がアヘン戦争でしょう。Googleによりますと、「アヘン戦争とは、1840年から1842年にかけて、イギリスと清(中国)の間で起きた戦争です。イギリスがアヘンの密輸をめぐって清に侵略し、清は敗北し、南京条約を締結しました。この戦争は、清の半植民地化の始まりとなり、日本にも大きな衝撃を与えました。」と説明しています。この戦争の原因としてGoogleは「イギリスが清にアヘンを売った主な理由は、貿易赤字の解消と、アヘンを販売することで得られる莫大な利益のためです。産業革命後のイギリスは、清から大量の茶を輸入していましたが、イギリス製品は清の市場でなかなか受け入れられず、貿易赤字に悩んでいました。そこで、イギリスはインドで栽培したアヘンを清に密輸し、銀を回収することで貿易赤字を解消しようとしたのです。」と説明しています。この南京条約により香港がイギリスに割譲され、1997年に中国に返還されています。この返還後に中国は香港の強制支配を強め、香港に対して自治権などの自由を奪い、現在の北京主導の香港へと変貌しました。自由が溢れていた香港はもはや存在しません。その大元となったのがアヘン戦争です。
ところが、「新たなアヘン戦争」が始まろうとしています。今回の問題の場所はここ日本です。産経新聞によりますと、6月27日に次のような記事を載せました。
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『フェンタニル「日本経由の密輸防止すべき」グラス駐日米大使が投稿「中国共産党が関与」』
グラス駐日米大使は26日、米国で中毒者が増えて社会問題になっている合成麻薬フェンタニルについて、密輸には中国共産党が関与しており、日本経由の不正取引を防ぐべきだと、X(旧ツイッター)に英語と日本語で投稿した。日本経由の具体的事実は不明だ。
投稿は「フェンタニルやメタンフェタミンといった合成薬物は、日米両国において多くの命を奪っています。そして、中国共産党はこの危機を意図的にあおっています。中国からのフェンタニルやその前駆体化学物質の密輸には中国共産党が関与しており、それを阻止するには国際的な取り組みが不可欠です。われわれはパートナーである日本と協力することで、こうした化学物質の日本経由での積み替えや流通を防ぎ、両国の地域社会と家族を守ることができます」としている。
「国際薬物乱用・不正取引防止デー」のハッシュタグが付けられており、この日に合わせた投稿とみられる。米財務省の金融犯罪捜査部門は4月、フェンタニルに関する2024年版の報告書を公表し、中国が原料の「主要な供給国」だと問題視した。トランプ政権は流入の責任を理由に、メキシコとカナダに25%、中国に20%の追加関税を課しているが、日本が関わっていると指摘されたことはない。
日本経済新聞は26日、「フェンタニルを米国に不正輸出する中国組織が日本に拠点をつくっていた疑いが判明した」と報じた。
https://www.sankei.com/article/20250627-KVLCGBNPIBD25GXNVX3WCBWKXI/
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また翌日「産経抄」では次のようなコメントを発しています。
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『<産経抄>フェンタニル密輸問題の軽視は追加関税招く』
折しも赤沢亮正経済再生担当相が、トランプ米政権の高関税政策を巡る7回目の閣僚交渉に臨むため訪米した26日のことだった。グラス駐日米大使がX(旧ツイッター)で、米国で中毒者増が社会問題化している合成麻薬フェンタニルについて、密輸に中国共産党が関与しており、日本経由の不正取引を防ぐべきだと発信した。
▼「中国共産党はこの危機を意図的にあおっています。(中略)阻止するには国際的な取り組みが不可欠です。われわれはパートナーである日本と協力することで、こうした化学物質の日本経由での積み替えや流通を防ぎ、両国の地域社会と家族を守ることができます」。日本への警告のように読める。
▼米国は中国をフェンタニルの主要な供給国とみており、流入の責任を理由にメキシコとカナダに25%、中国に20%の追加関税を課している。これまで日本の関与は指摘されていなかったが、今後の対応次第では日本も追加関税の対象となりかねない。
▼今やフェンタニル問題は、米中による「新アヘン戦争」とも呼ばれ、日米閣僚協議の行方にも影響しかねない大事だが、日本政府の反応は鈍い。林芳正官房長官は27日の記者会見で「法律に基づき許可を得ない輸出入や製造、販売、所持、使用などを厳格に取り締まっていく考えだ」と述べた。いかにも紋切り型である。
▼その点、国民民主党の玉木雄一郎代表はさすがに分かりやすい。27日のXでは、早速こう訴えていた。「政府としても徹底的に捜査、調査して厳しく摘発すべきだ。日本が抜け穴になってはならない」
▼林氏と玉木氏の言っている中身はおおむね同様でも、語り口一つで受ける印象はかなり変わる。石破茂首相も政府要人も学んだ方がいい。
https://www.sankei.com/article/20250628-PIVBDT6UHJN3JDEC2FTHDAJRDM/?967279
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国民・玉木氏の発言は下記を参照してください。
https://www.sankei.com/article/20250627-LIRHZQH6FBHQ5JJ5IN4ECZVKT4/
おそらくフェンタニルという合成麻薬は日本ではあまり知られていないかもしれませんが、アメリカでは今問題となっています。この合成麻薬が日本を経由してアメリカに流れているということです。今日の日経新聞では名古屋経由でフェンタニルの密輸が行われている記事を載せています。興味がある方は次のページを参照してください。
『フェンタニル密輸、名古屋経由か データの海に浮かんだ「日本のボス」』
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODL282DU0Y5A620C2000000/
日本政府はこの問題を無視するわけにはいかないでしょう。トランプ大統領からフェンタニル問題に関して指摘があると思います。またこの合成麻薬が日本中に蔓延することも考えられます。この麻薬がどの程度国内に蔓延しているかを早急に調べる必要が出てくるでしょう。そうしないと日本もアヘン戦争の二の前になる可能性もあります。マスコミはこの事案を「新アヘン戦争」と呼んでいます。アヘン戦争ではイギリスが中国社会を破滅させましたが、今回は中国がアメリカ社会を合成麻薬で破滅させる事案です。それに日本が深くかかわることになりそうです。日本政府は一刻も早く状況を把握する必要があります。そうしないと日本は世界から信用されなくなります。