#533 オーバーツーリズム

 今日は「子供の日」です。今年のゴールデンウィークも残り1日となりました。大型連休終了1日前にはいつものように高速道路では長い渋滞が発生し、空港では海外からの帰省客がピークに達成します。また新型コロナ後の海外からの観光客増加に伴い、日本だけでなく海外の観光地でもオーバーツーリズム(観光公害)が激しくなっています。
 長期休暇には多くの人が国内外の旅行に行きますが、その行為自体が観光地の住民を苦しめています。例えば国内で最も人気がある京都では、観光客が路線バスを占領するので、地元の人々が通勤に使用できない事案が生じています。また旅行期間中はホテルの宿泊料も値上がりするので、京都以外から来る日本人観光客にもマイナスの影響が出ています。近年このような観光公害が目立ってきていますが、次のような報道がなされています。
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[京都のオーバーツーリズム対策…連休中はバス増便、SNSで多言語の混雑情報表示』
 最長10日間にわたるゴールデンウィークが始まった27日、京都市内の行楽地も大勢の人でにぎわった。オーバーツーリズム(観光公害)が課題となる中、市は混雑緩和策を強化している。
 嵐山の渡月橋周辺は午前中から、外国人観光客や修学旅行生らでにぎわった。奈良市から訪れた女性会社員(29)は「アニメの聖地巡りが楽しみで来た。京都には多くの舞台があるので満喫したい」と話し、キャラクターグッズを手に記念写真を撮っていた。
 京都市は27日~5月6日の土日祝日、JR京都駅から清水寺や祇園を結ぶ市バスの路線を増便し、特に混雑する午前中は3~4分間隔で運行。他にも臨時バスの運行や地下鉄の増発などで市バスの混雑緩和を図る。
 嵐山や伏見稲荷大社、北野天満宮など市内10か所に設置しているライブカメラ映像にも、日本語、英語、中国語で混雑する日時や交通に関する情報を表示し、観光を楽しむ時間帯や場所の分散化を促す。
 ほかにも、観光客にマナー順守などを呼びかけるため、「荷物を預けて手ぶら観光します」などのメッセージを掲げた人の写真をインスタグラムなどのデジタル広告に掲載。市の担当者は「SNSを活用し、市民生活と観光の調和を図りたい」としている。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20240427-OYT1T50176/
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 上記は京都市の観光に関するニュースですが、国内の観光地はどこも似たような観光公害に困り果てています。例えば富士山の登山料など様々な対策が考えられていますが、観光客を減らすような対策にはなっていません。確かに政府はインバウンド政策を推進していますが、はたして観光地に暮らしている住民のことを考えているのでしょうか。安心できる暮らしを手に入れるために観光地から引っ越す住民も出ているそうです。観光地が活気を呈するのは地元の商店と宿泊施設やそれに関連する産業のみで、必ずしも地元の住民ではありません。どうすれば観光客も楽しみ、地元の人も静かな生活を維持できるようになるでしょうか。
 この問題を解決するにはやはり政治の力が必要となります。国内外の環境客と観光地の住民のために何ができるかを早急に話し合い、国としての対策をできるだけ早く取ることです。そうしないと観光公害の問題はいつまでも解決できません。大気汚染や車の排気ガスなど従来の公害と異なり、病人や死者がでるわけではありませんが、観光公害への対策を取らないとボクシングのボディーブローのように国中を蝕んできます。新しい公害として素早い対策が必要となります。

2024年05月05日