#606 降れば土砂降り

 9月も上旬となりましたが、まだまだ猛暑日が続いています。加えて午後遅く夕立の降る日が増えているように感じます。これは筑後地区だけでなく全国に当てはまります。特に今年の夏は各地で雨が降りますと、ほとんど毎日のように線状降水帯の発生やゲリラ豪雨の発生のニュースが流れます。本当に日本中異常な天候状態です。まさに「降れば土砂降り」です。(註:この格言は「不幸な出来事は重なりやすい」ことを意味するものですが、ここでは文字通り「雨が降れば土砂降りになる」意味で用いています。)
 ところで、ニュースの天気予報では「線状降水帯」とゲリラ豪雨を使い分けています。気象庁では次のように説明しています。
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『顕著な大雨に関する気象情報とは』
 顕著な大雨に関する気象情報は、大雨による災害発生の危険度が急激に高まっている中で、線状の降水帯により非常に激しい雨が同じ場所で実際に降り続いている状況を「線状降水帯」というキーワードを使って解説する情報です。この情報は警戒レベル相当情報を補足する情報です。警戒レベル4相当以上の状況で発表します。
 崖や川の近くなど、危険な場所にいる方(土砂災害警戒区域や浸水想定区域など、災害が想定される区域にいる方)は、地元市町村から発令されている避難情報に従い、直ちに適切な避難行動をとってください。周りの状況を確認し、避難場所への避難がかえって危険な場合は、少しでも崖や沢から離れた建物や、少しでも浸水しにくい高い場所に移動するなど、身の安全を確保してください。市町村から避難情報が発令されていなくても、今後、急激に状況が悪化するおそれもあります。キキクル(危険度分布)や水位情報等の情報を確認し、少しでも危険を感じた場合には、自ら安全な場所へ移動する判断をしてください。

<顕著な大雨に関する気象情報の発表基準>
 現在、10分先、20分先、30分先のいずれかにおいて、以下の基準をすべて満たす場合に発表。
 前3時間積算降水量(5kmメッシュ)が100mm以上の分布域の面積が500km2以上
 1.の形状が線状(長軸・短軸比2.5以上)
 1.の領域内の前3時間積算降水量最大値が150mm以上
 1.の領域内の土砂キキクル(大雨警報(土砂災害)の危険度分布)において土砂災害警戒情報の基準を超過(かつ大雨特別警報の土壌雨量指数基準値への到達割合8割以上)又は洪水キキクル(洪水警報の危険度分布)において警報基準を大きく超過した基準を超過
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/bosai/kishojoho_senjoukousuitai.html

一方、気象庁はゲリラ豪雨を次のように説明しています。
「あちらこちらで短い時間に非常に激しく雨が降る状況のことを、一部の報道機関などで「ゲリラ豪雨」と呼んでいます。しかし、この言葉は気象庁では使用しておらず、正式な用語ではありません。」
https://www.jma.go.jp/jma/kids/kids/faq/a1_33.html

 線状降水帯もゲリラ豪雨も降る時間は異なりますが、私たちの社会生活において大災害につながる降雨となります。特に木曜日の都心のゲリラ豪雨では鉄道が止まり、駅ホームは浸水し、電車の乗客はタクシーを利用するために長時間待たなければなりません。同様の事態が日本各地で発生します。
 あるニュースの気象予報士が説明していましたが、今年の積乱雲が発生する高度が例年よりも高く、その分だけ雲が水分を吸収し、雨量も多くなる傾向があるそうです。確かに昨年の雨量をはるかに超える豪雨が毎日繰り返されています。さらに、まだ猛暑が続きますので、線状降水帯やゲリラ豪雨はもうしばらく継続して発生することになるでしょう。
 またこのような気象状況下で、突風や竜巻などの現象も発生します。先日の静岡県では最大級の竜巻が起こり、多くの被害をもたらしています。夏空には夕立が伴いますが、例年の夕立ではなく、災害級の夕立になることを常に考慮する必要があります。もうしばらく急変する天気に注意しましょう。

2025年09月13日