#342 大切なものは目に見えない
1月もあと1週間ほどになりました。1月は「行く」、2月は「逃げる」、3月は「去る」と言われます。新年が始まり慌ただしく時が過ぎ去ることを上手く表現したものです。またこの時期は入試や卒業式等が重なり、子どもを持つ家庭では子どもの成長に合わせてこれらの行事を体験します。子供の成長とは言いかえれば親が年を重ねることを意味します。現在進行形では慌ただしく時間が過ぎ去りますが、人生を振り返れば過ぎ去った過去の出来事が走馬灯のように思い出されます。
さて「大切なものは目に見えない」はサン・テグジュペリの「星の王子様」に出てくる名言ですが、懐かしさのあまり久しぶりにこの本を読んでみました。子どものための童話というよりも大人に読んでもらいたい本だと思います。
大人になるにつれて人は外部の世界にこだわるようになります。外見、容姿容貌、学歴、出世、金、権力など自分の本質とは関係のないものに惹かれ、それを求めます。しかしそれらは一時的なもので、いつしか消え去り行くものです。
「大切なものは目に見えない」は人間の本質を表しています。例えば「愛」がそうです。流行り歌では「愛」を叫んでいますが、「愛」が何かを説明しようとはしません。なぜなら目に見えないからです。現代科学では目で見えないもの(観測されないもの)は非科学的なものとして排除されます。では「愛」は存在しないのでしょうか。
いいえ愛はたしかに存在します。自分にとって一番大切なものが「愛」です。そのために人は生きています。狭義的には男女の愛、広義的には博愛と人により定義は変わりますが、人生の目的は「愛するために生きる」と言えるでしょう。言いかえれば「愛」が生きがいとなっている人は「強い人」だと言えます。マザー・テレサが死にゆく人達に愛情を注いだように、何かに愛情を注ぐことのできる人は幸せです。
「星の王子様」を読んで、久しぶりに「大切なものは目に見えない」という文言を考えてみました。一読する価値のある本です。