#172 生きていくあなたへ(3)
緑がますます輝き始める頃になりました。近くの国道の花壇にはポピーやスミレの花が咲き乱れています。今日も朝から晴天ですが、空には少し霞がかかっています。さて昨日から大型連休に入りましたが、皆様はどのように過ごされるおつもりでしょうか。当塾はお盆休暇、年末年始休暇、年度末休暇以外は休まず授業をしていますので、大型連休中も平常通り授業をおこないます。
さて故日野原先生の言葉を本日まで抜粋したいと思います。「生きていくあなたへ」には他にも多くの珠玉の言葉がありますので、是非一度お読みください。
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Q:どうしたら先生のように、年をとっても若く元気でいられるのでしょうか?
A:お若いですね、とか元気ですね、と言っていただけるのは、素直に嬉しいものです。僕は食べることや健康習慣だけでなく、美容にもそれなりに気を使っているのです。実は、この年末に、肌のしみとりにもチャレンジしてみたのです。人間には外見を整えることで、人に会いたくなったり、積極的な気持ちがわいてきたりする心が備わっているのだと実感します。
そういった外見の若さというのも大事ですけれど、もし僕が若々しいと言われるのだとすれば、一番の原因は、常に新しい自分との出会いを大切に過ごしているからではないかと思います。
過去の自分にこだわり、自分のやり方はこうだとか、自分はこういう性質だ、ということを決めつけず過ごしています。だから毎日が自己発見の連続なのです。
その中には、日常の小さなことから、人生を変えるような重大なものまで様々あるのですが、特に大きく自己を見つけられたのは、苦難に遭ったときや病気を患ったときに多かったように思います。
人間というものは苦難にあわなければなかなか目が覚めない。
105歳まで長寿を頂いた僕ですが、実は子どもの頃から身体が弱く、結核や腎臓炎を患ったりと病気がちでした。そして今も心臓に病を抱え、思い通りにいかないあれこれの連続です。しかし病は僕にたくさんのことを教えてくれました。
ルカによる福音書に、「貧しい人は、幸いである」「今泣いているものは、幸いである」という言葉がありますが、病を抱えている僕にはこの言葉の意味がよくわかります。
人間というのは不思議なもので、苦しいとき、逆境のときにこそ自分の根源と出会うことができるのです。病や苦難によって、新しい自分を見つけたら、その恵みを受け取ると同時に、過去の自分の皮を脱ぎ捨てましょう。常に「キープ・オン・ゴーイング(前に進み続けよう)」。
若々しさの秘訣にもつながる僕の大好きな言葉です。
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幼い子ども達は常に自分の周りのものに興味を持ち、「何?どうして?」と近くの大人に問い続けます。日野原先生も仰るように、常に新鮮な気持ちで生きることが若さを保つの秘訣でしょう。年を取れば取るほど、物事を分かったつもりになり、感動することが無くなる傾向になりますが、世の中は常に変化していきます。例えば若い世代は古い世代には苦手なスマホを使いこなしています。何歳になっても世の中の動きに注視し、様々なものに興味を持って生きたいものです。生きている限り、これで終わりということはありません。常に新しい自分と出会いたいものです。
それでは大型連休を有意義にお過ごしください。