#418 奇妙な一致

 暦の上では立春を過ぎましたが、春は名ばかりで、まだまだ寒い日々が続きます。それでも街角の梅も花をつけ、早春賦のような雰囲気が漂っています。
 さて、新コロ禍の中で北京冬季オリンピックが始まりました。選手たちはバブル方式で競技会場と宿泊施設の往復のみ許可されています。また競技会場は無観客で、あらかじめ許可された者のみが入場可という厳戒の下に開催されています。
 ところで、多くの政府機関が選手や大会関係者に呼びかけていることがあります。それは情報の漏洩を避けるために個人の携帯を使用せずに、別途最低限度の連絡をするための携帯を持参するように呼びかけています。これは異常です。監視カメラ台数世界一の中国では個人情報の抜き取りは日常茶飯で、少しでも挙動不審な態度を示せば、警察に補導されます。香港問題で世界から非難を浴びている中でのオリンピックです。海外のマスコミもすべて行動制限が行われています。今回の五輪を一言で表せば「監視オリンピック」です。
 この北京冬季オリンピックには奇妙な一致が見られます。それは第2次世界大戦前に開催されたベルリンオリンピックが行われた世界情勢です。簡単にベルリンオリンピックの状況を述べてみます。(ウィキペディア(Wikipedia)より抜粋)

<ベルリンオリンピック>
(実施時期)
 1936年1936年8月1日から8月16日まで、ドイツのベルリンで行われたオリンピック競技大会であった。
(主催者)
 ヒトラーがオリンピックの開催を決めた後は、オリンピックを「アーリア民族の優秀性と自分自身の権力を世界中に見せつける絶好の機会」と位置づけた。
(当時の人種差別)
 ベルリンでの開催決定後にドイツの政権を握ったナチス党が、ドイツ国民の支持の下にユダヤ人迫害政策を進めて行ったことや、反政府活動家に対する人権抑圧を行っていることを受けて、ユダヤ人が多いイギリスやアメリカ、そして開催地の地位を争ったスペインなどが、開催権の返上やボイコットを行う動きを見せていた。
(第2次世界大戦前の最後の大海)
 この大会の3年後、1939年9月にドイツによるポーランド侵攻を機に第二次世界大戦が勃発し第12回東京大会と第13回ロンドン大会が中止されたため、この大会が大戦前最後の大会となってしまった。

<北京冬季オリンピック>
(実施期間)
 2022年2月4日から2月20日まで(競技により開会式前の種目もある)
(主催者)
 北京市と中華人民共和国であるが、実質的に現代のナチス党である中国共産党が支配している。人民オリンピックと謳い、漢民族の優秀性と中国の国威発揚を世界に見せつけるために絶好の位置付けと考えている。
(現在の中国をめぐる状況)
 中国はチベットやウィグルを侵略して、その民衆を虐待・殺害し、人権を蹂躙している。今回の冬季オリンピックに対し欧米の主な国々は外交的ボイコットを行っている。これはナチスドイツがユダヤ人を迫害した状況に似ている。
(今後の世界情勢)
 中国は97年の香港返還後にイギリスとの1国2制度の約束を破り、香港市民に対し中国共産党の意図をくむ行政を行い、香港市民に対し人権を蹂躙している。さらに台湾に対し軍事行動も厭わぬ発言を繰り返している。またロシアは現在ウクライナ問題を抱えており、ウクライナ侵攻の準備をしている。
 中国やロシアは世界からの非難を避けるために、オリンピック期間中は軍事行動を控えると思われるが、オリンピック終了後に具体的な行動に出る可能性が高い。従って良識ある世界の人々は両国が侵略行為を行わないように注意して世界情勢を見守る必要があり、世界の民主主義国家は団結して両国が軍事行動に出ることを阻止しなければ、第3次世界大戦への序章となるだろう。

 以上が私が夢想したベルリン五輪と北京冬季五輪の奇妙な一致です。オリンピック後の世界情勢を注視する必要性を感じます。このことが現実にならないことを強く望みます。

2022年02月06日