#437 絵本専門店

 ここ数日梅雨の中休みが続いていますが、天気予報によれば明日から本格的な梅雨になるようです。毎年梅雨明けが7月20日前後になりますので、およそ1か月続くことになります。しとしと降る雨は歓迎ですが、ここ数年は毎年異常なほどの豪雨が降り続き、全国各地で大きな被害をもたらしています。気象庁は降水線状帯の予報を今年度から始めましましたが、的中率はわずか25%足らずだそうです。しかし局地的に大雨を降らす線状降水帯は予想できるだけでも有難いものです。大雨予報を知ることで災害を防止できます。
 さて、雨が降る日は家で読書をする人が多いと思いますが、大人も子どもも一緒に楽しめるのが絵本です。先ほど亡くなったエリック・カールの「はらぺこあおむし」は世界的なベストセラーとなっていますし、親は子どもの年齢に応じて様々な絵本を与え、一緒に楽しんでいます。
 そんな中、先日NHKの「ドキュメント72Hours」で面白い絵本専門店を紹介していました。ドキュメント72Hoursは私もよく観る番組ですが、今回紹介された書店は絵本を中心に子ども用の本を揃えた「ブックハウスカフェ」という書店で東京の神田・神保町の古書街の一角にあります。世界中の人気のある絵本はもちろん様々なジャンルの絵本が豊富に揃えてあります。
 他の児童書店と唯一異なるのは、この店はは閉店後にカウンターバーに変身することです。仕事帰りのサラリーマンがこの店に立ち寄り、アルコールを飲みながら店主の女性が絵本を読み聞かせます。数十年ぶりに絵本を読んでもらった大人たちは、みんな一堂に感慨深い思い出を語っていました。幼い頃に親や祖父母から読んでもらった絵本の内容を今でも覚えている人が意外と多く、幼いころの読書体験が大人になった今でも影響していることが示されています。
 私も幼い頃に親から絵本を含めてたくさん本を買ってもらいましたが、書名までは覚えていません。しかし学生の頃読んだ「百万回生きた猫」は今でも覚えています。
EhonNaviページからこの本の見どころを紹介します。
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『100万回生きたねこ』 作・絵 佐野洋子
 そのねこは、100万回も死んで、100万回も生きたのです。ある時は船のりのねこ、ある時はサーカスの手品つかいのねこ、どろぼうやおばあさん、小さな女の子のねこにもなりました。彼らはみんなねこを可愛がり、ねこが死ぬと泣きます。でも、ねこは1回も泣きませんでした。
 ねこは飼い主なんか嫌いだし、死ぬのなんて平気。自分のことが大好きだから、誰のねこでもない、のらねこになったのを喜んだのです。
 何度も生き死にを繰り返したという驚きの話にふさわしく、堂々とした立ち居振る舞いと、立派なひげ。そして美しい緑色の目が強く印象に残る彼の風貌。ただの一度も悲しんだことのなかったその人生、でも決して悔いている様にも見えません。
 ところがそんなねこの生き方を大きく変貌させる出来事が起こるのです。それは白く美しいねことの出会いで……。
 絵本の中で何度も語られる「100万回生きた」ねこのそれぞれの人生。どれも物語があり、簡単に通り過ぎることが出来ないくらい想像が膨らんでいきます。それでも最後の物語が全く違うのは、彼が知らなかった感情を知ってしまうから。大きな真実に気づいてしまうから。それは一体、幸せなことだったのでしょうか。
 その全く穏やかで豊かになったねこの表情を、読者は自由に読み解きながら、好きなように解釈していく、そんな楽しみがこの絵本にはあります。読み終わった時に何を思うのか。その時浮かんできた「自分の言葉」、大切に残していってくださいね。
https://www.ehonnavi.net/ehon/94/100%E4%B8%87%E5%9B%9E%
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 このブックハウスカフェをテーマにしたドキュメント72HoursはNHKBS1で6月22日(水)午後5:00-5:30に放送されますので、興味のある方はぜひ視聴してください。東京に行く機会があればぜひ行ってみたい場所です。
 絵本は子どもだけのものではありません。大人も充分楽しめる本です。絵本を楽しめない大人は何か大切なものを失っているかもしれません。雨の日にはゆっくりお気に入りの絵本を楽しみましょう。

2022年06月19日