#85 満天の星空

 塾の授業が終わって10時過ぎに外に出るのですが、晴れた夜には満天の星空が見られます。真冬で湿度が低いこともありますが、小さな星まで見ることができます。南天に目をやるとオリオン座や冬の大三角形など教科書でお馴染みの星座を目にすることができます。オリオン星雲さえも裸眼で確認できます。

 星空を眺めながら確かに大牟田の夜空は以前よりもきれいになった気がします。炭鉱が盛んだった頃のこの街は昼も夜も一日中工場の煙突から煤煙が出ていた記憶があり、あまりきれいな夜ではなかったと思います。現在は炭鉱もなくなり関連する工場もごく限られているせいか、晴れた夜には綺麗な星空が見えるようになった気がします。

 翻って私が住んでいた福岡市の最近の夜空は悲惨なものでした。20年前ほどの夜空は結構きれいで、そこそこ星が見えていましたが、ここ数年は街中の光害の影響で真夜中でも天神方面の空は白っぽい色に光り、1・2等星ぐらいしか目にできない日もありました。これは福岡市に限ったことではなく、全国の大都市に当てはまることと思います。以前のように「夜は暗いもの」という常識が無くなりつつあります。昼間と同じようにネオンが煌々と輝き、その影響で上空の大気が明るくなっているのです。

 その意味では皮肉なことですが、主要産業が無くなったこの大牟田は昔の夜の自然環境を取り戻しているようです。月夜の明るい夜道、月のないの満天の星空や天の川の輝きは失ってはならない私たちの原風景だと思います。

追記
 先日の寒波で今まで頑張って咲いてきたコスモスが命をすべて全うしました。この子どもたちが今年の秋にはまた元気な姿を見せてくれると思います。

2017年01月29日