#11 西日本新聞の追加記事について

 12月5日付けの西日本新聞(筑後版)に当塾の追加記事が載りましたので、少し説明したいと思います。記事の写真を載せましたが、画像が小さいので本文を引用します。
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(12/5西日本新聞筑後版コラム「はぜの実」より)
 「教員がきちんとしないと教育はよくならない」。元高校教員の西尾和展さん(58)は取材に対し、熱い思いを訴えた。数年後に控えていた定年を前に高校を依願退職し、大牟田市内に世帯年収約200万円以下の家庭の子どもは無料で英語が学べる学習塾を開いた。▼運営資金には退職金と貯金を充てている。正直、将来への不安はなかったのか聴くと、西尾さんは「怖くはなかった。お金は自分に使うのが楽だが、どんな使い方をするのが一番大事」と話した。思わずメモを取る手が止まった。記事には載らなかったコメントだが、今でもその意味を考える▼貧困家庭の子どもの割合が他の地域に比べて高いとされる九州。貧困の連鎖を断ち切るためにも無料学習塾の拡充は欠かせない。社会で支える仕組みを考えたい
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 上記の記事で追加説明したいことがあります。記事の冒頭の前に「親はこの鑑である」が紙面の都合上省略されています。「どのような環境におかれても、親が自分の真摯な生き方を子供に見せる」ことで、子どもは育っていきます。反対に親がいい加減な言動や生き方をすれば、自ずと子どもに悪影響を与えます。昔の人は自分の生き様を見せることで子どもを教育していました。その意味では本当に偉かったと思います。翻って現代の大人はどうでしょうか。若い世代や子供たちに胸を張って生きていると言えるでしょうか。
 なお記事の冒頭ですが、多くの先生方は本当に一生懸命生徒を教え、指導しています。特に多くの高校では7:40より朝補習が始まり、終礼が終わるのが16:00過ぎになります。その後部活動の指導や生徒面接、居残り指導、放課後の課外授業などで放課後の時間を過ごし、自分の授業の準備に取り掛かるのが早くても18:00以降になります。おそらく学校を出る時間が20:00を過ぎる先生方もたくさんいらっしゃるでしょう。
 ところが一生懸命頑張る先生がいらっしゃる一方で、そうではない教員がいることがよく耳に入ってきます。実際当塾に参加している子供達から耳にします。中には学級崩壊状態のクラスもあるようです。そこで記事の冒頭にありますように「教員がきちんとしないと教育はよくならない」ということです。家庭の中心は親です。親がきちんとしないと子供は育ちません。同様に教員(当然学校全体)がきちんとしないと生徒が育たないのです。もし生徒が荒れているクラスや学年、学校があれば、一度教員全体で現状を考え、自分達に落ち度がなかったか考える必要があるのではないでしょうか。「教育は国家百年の計」と言われます。子供が育たないと国が亡ぶのです。そのために教育は労働ではなく聖職です。
 なお記事に運営資金のことが書かれていましたが、正直言いまして金銭的には将来が不安です。ただ現在自分ができることを行わなければ将来もっと後悔することになります。一流企業が倒産する時代です。いくらお金があっても将来何が起こるか誰にも分かりません。私は今世教員人生を歩んできましたので、人生の集大成として現在の活動をしているだけです。「情けは人のためならず」と申しますが、その意味でも活動を始めた次第です。

2015年12月10日